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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■これからの10年、その次の10年
「これからの10年、その次の10年」について書いてみたい。

これからの10年に起きること。

・バーチャルとリアルの融合
・ネットワーク、コンピューティング構造の変化
・ヒトのコミュニケーションありかたの進化


その次の10年に起きること。

・ヒトとモノ、バーチャル世界の融合


これからの10年。

・バーチャルとリアルの融合

これまでの10年間に僕らに起こった事は、バーチャル世界の拡張である。
ネットの普及、ブロードバンド化、ワイヤレス化により、僕らは現実世界と同様、バーチャル世界で生きることができるようになった。
バーチャル世界の拡張はまだまだ始まったばかりであり、これからも加速しながら進化を続ける。
そして、これからの10年に起きようとしていることは、バーチャル世界とリアル世界の融合である。
これまで、バーチャル世界は、情報だけで構成された「ビット」の世界だった。
そこへ「アトム」が連携する。
バーチャルとリアルが融合する。
RFID、センサー、ロボット、アクチュエイター等々。
これらのテクノロジーがバーチャル世界とリアル世界を媒介し、融合する。
RFIDのEPC、IPv6はバーチャル世界がリアル世界を認識するための識別子である。

・ネットワーク、コンピューティング構造の変化

ネットワーク、コンピューティング環境を大きく変貌させるテクノロジーは、「グリッド・コンピューティング」、「メッシュ・ネットワーク」、「オートノミック・コンピューティング」である。
n対nのコンピューティングノードがメッシュを構成し、自律する。
自律メッシュネットワークは、グリッドとなり、コンピュータは箱ではなく、環境となる。
コンピュータ産業は、電力、ガス、水道といったリソース産業と同様になる。
コンピューティングリソースだけではなく、アプリケーションもネットワークで提供される環境が整備される。

・ヒトのコミュニケーションありかたの進化

P対Pのコミュニケーションの先にn対nのコミュニケーションが存在する。
統合体としてのヒトの意識は、複合要素からなる部分集合だ。
その部分がモザイクとして、n対nのネットワークで対話を始め部分集合を形成する。
それらの部分集合は部分集合でありつつ、部分集合と部分集合は重なり合い、全体としての要素を持ち始める。


その次の10年。

・ヒトとモノ、バーチャル世界の融合

「次の10年」で形成された、「バーチャルとリアルの融合」、「ネットワーク、コンピューティング構造の変化」、「ヒトのコミュニケーションありかたの進化」が融合を開始する。
ヒト、モノ、バーチャル世界が融合することにより、ヒトとコンピューティング環境との境界線は限りなく小さくなっていく。
ヒトの身体は、免疫で物理的に保護された独立体としての形状を保ちつつも、他者や環境との境界線が曖昧になっていく。
センサーネットワーク、ロボットテクノロジーとヒトが連携することにより、ヒトの身体、脳は拡張され、環境と融合していく。
ヒトは、環境の一部であり、全体でもある。
ヒトは、統合体としての個別の独立体としての自分自身と、環境の一部であり全体でもある、という意識の乖離に対する葛藤にさらされることになる。
そして、ヒトは新たなる境地に達するのかもしれない。

僕たち人間は、生物としては一万年くらい何らの進化をしていない。
だけど、僕たち人間の持つ意味合いは、これからのほんの何年かの間に大きく変わる。
テクノロジーは絶えず進化を続け、加速度を増し続けている。
僕たちは生物としてはなんらの進化もないまま、テクノロジーによって進化を続け、環境に適応してきた。
これからも僕たちヒトは、生物としては何ら変わらないまま、外部環境であるテクノロジーの進化に、ヒト科の種として、適応し、実質的な進化を遂げていくだろう。
「変異」、「遺伝(伝達)」、「選択(淘汰)」の複合的なプロセスを高速に展開し、進化のプロセスは幾何級数的に加速度を増していく。


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03月04日(金)
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