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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■くたばれコピーワンス
放送の世界での完全デジタル化は目前である。
2011年7月には現行のアナログ放送は廃止され、放送はデジタルに完全に置き換わる。
現実にそのスケジュールでアナログ放送の廃止が可能かどうかについては疑問があるが、いずれ放送が完全にデジタルに移行することは間違いない。
放送のデジタル化そのものは喜ばしいことだ。
デジタル化により、コンテンツの扱いは容易になり、そこには無限の可能性を秘めている。
だけど、放送局は、2004年4月にコピーワンスを導入した。
コピーワンスとは、文字通り一回しかコピーできない、という規格である。
HDDレコーダーからDVDに移す場合はムーブを行う。
「ムーブ」であり、「コピー」ではできない。
コピーワンスにより、デジタル化のメリットは大きく損なわれる。
コピーワンスは、視聴者個人の自由を制限する。
僕のテレビ視聴スタイルはいずれ、自宅サーバー蓄積型に移行させるつもりだ。
放送を自宅サーバーに蓄積し、ネットワーク経由で視聴することになる。
自宅内においては無線LANを通じてPC経由で視聴する。
そのために自宅の無線LAN環境は既に802.11g/54Mbpsに移行済だ。
ネットワークにはHDDもぶら下がっている。
自宅サーバーには宅内視聴用にはMPEG2、モバイル視聴用にはMPEG4で蓄積する。
あとは、DDNS(DynamicDNS)環境を導入し、外部から自宅システムへのアクセス環境を構築するだけである。
外部アクセスを可能にすれば、海外からでも自宅に蓄積されたテレビコンテンツの視聴が可能になる。
電波は光ファイバーさえ引いていけば無限に増やすことのできる固定回線に対し、「有限の資源」であり、「公共財」である。
公共財である以上、視聴者の権利は保障されるべきだ。
だが、放送局は、放送は「リアルタイムで見るもの」という悪しき立場を崩さない。
収益源がCMである放送局にとって、ユーザーがいつでもどこでも放送を見れる、となると都合が悪くなる。
DVD/HDDレコーダーの普及により、放送局が定めたタイムテーブルに沿って、既定の放送時間に放送を視聴するスタイルは通用しなくなった。
リアルタイム放送にこだわらない僕にとって、「24」が深夜帯に放送されようが、どう考えても勤務時間中である「ゴールデンタイム」にドラマが放送されようが影響はない。
ニュースでさえも、NHKの7時のニュースとWBSを毎日録画して、見たいニュースのみを見ている。
時間が足りない僕にとって、興味のないニュースやCMを見ているような暇はない。
リニアな放送は僕にとって最大の資産である時間を無駄に奪う。
コピーワンスは既に決定され、2004年4月に導入されてしまった。
視聴者は、個人として対抗せざるを得ない。
音楽の世界では、CCCD(Copy Control CD)はiPodの普及により、MP3によるリスニングスタイルが普及したおかげで、事実上絶滅した(というかCCCDのプロテクト破りはあまりにも簡単だったので、そもそも存在価値もなかった)。
放送の世界においても、CPRM(Content Protection for Recordable Media)、コピーワンスを崩壊させなくてはならない。
放送は公共財である電波を使用しているため、音楽業界以上に視聴者は強い意志を持って対抗すべきだ。
コピーワンスには逃げ道がある。
コピーワンスの信号をキャンセルすれば良い。
CPRMの信号を除去してしまえば良い。
いわゆる「コピーガードキャンセラー」は違法化してしまったが、「画像安定装置」と名前を変え、逆に堂々と売られている。
「画像安定装置」が合法かどうか、と言えば、明らかに違法だ。
法的には、デジタル放送は私的複製であってもコピーガードをはずせば違法である。
だが、CPRM破りは、官民業の癒着体質が色濃く反映された、放送業界に対する僕たちが個人として対抗できる手段である。
電波を使った放送業は、NHK、民放にかかわらず、公共放送であり、電波は国民の財産である。
総務省から電波を割り当てられている独占事業である。
コピーワンスはCCCDよりも、ずっとたちが悪い。
CCCDがユーザー主導で崩壊していったのだから、放送業界に対しても個人レベルで対抗すべきだと僕は思う。
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