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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■コンサルティングファームの謎 J業界再編
ここ、1−2年の間で多くのコンサルティングファームが合併や社名変更を行った。
特に会計系のコンサルティングファームは再編に巻き込まれなかったほうが珍しいくらいだ。
これらの再編の引き金となったのはエンロン事件である。
アンダーセンによるエンロンの不正会計疑惑だ。

会計監査とコンサルティングを同時に行う事による不正。
コンサルティングの仕事を得たいがために、会計監査を甘くする。

会計系のコンサルティングファームは会計系と呼ばれるだけあって、もともとは会計事務所である。
だが、いつの頃からか会計事務所でありながら、会計監査業務よりコンサルティグ業務の比率が増していった。
会計監査業務よりもコンサルティング業務のほうが遥かに儲かるからである。
よって、会計系コンサルティングファームは会計監査業務よりもコンサルティング業務に力を入れてきた。
会計監査業務で企業に入り込み、そのままその企業のコンサルティング業務を行う。
コンサルティング業務を得るためには、会計監査に手心を加える。

監査業務とコンサルティング業務を同時に行う事が不正の温床になる事は、エンロン事件が起きるよりずっと前からわかっていたことだった。
会計監査業務とコンサルティング業務を同時に行う事は本来許されないのだ。
エンロン事件が起きる前から、会計監査業務とコンサルティング業務は分離の方向に向かっていた。
まさに分離の方向に向かおうとしていたその時にエンロン事件が起きたのである。
会計監査業務とコンサルティング業務を同時に行う事による、不正が生じるリスクが表面化した。
エンロン事件により、会計監査業務とコンサルティング業務の分離が一気に加速した。
これが、今回の再編劇のはじまりだ。

そして、会計事務所とコンサルティングファームとの分離を外部対してに明確にアピールするため、社名変更を行った。

そのうえで、企業が二分割され、企業規模が縮小したため、もともとの規模になるため、いくつかの企業は合併をすることとなった。

これが、現在のコンサルティングファームの再編劇のはじまりである。
だが、この再編劇はまだはじまったに過ぎない。
これまでの再編劇は多分に制度的な理由によるものであり、ビジネス的な理由によるものではなかった。
だが、これからはじまる再編はコンサルティングファームのビジネスモデルの変更によるものである。

明日につづく。
03月22日(土)
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