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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■コンサルティングファームの謎 F人事制度は軍隊と同じ
コンサルティングファームの人事制度というか、階級制度は軍隊と基本的に同じである。
戦略コンサルティングそのものが、軍事戦略が起源であるからかも知れない。
たぶん関係ないと思うけど。
コンサルティングファームでは軍隊と同じく、コンサルタントがプールされており、戦闘の替わりにジョブが始まると、仕事の内容に応じて適切なメンバーを集めてチームを編成する。
いわゆるタスクフォース型の組織。
一般企業のように○○部とか○○課が存在し、社員がどこかの部門に所属しているわけではない。
個々のコンサルタントはスキルセットの種類と業界、クラスが定義されているされているだけである。
ジョブごとに異なるメンバーでチーム編成を行うため、所属はない。
戦略コンサルティングの場合、ひとつのプロジェクト期間は2−3ヶ月と短いので、2−3ヶ月ごとに人事異動と転勤を繰り返しているようなものである。
クラスは軍隊での階級と同じしくみ。
ニ等兵から将軍まで。
新卒アナリストの二等兵から、下士官であるコンサルタント、マネージャー、マネージングパートナーという将軍まで。
ここ を参考にするとこんな感じか。
アナリスト → 士
コンサルタント → 曹
マネージャー → 尉
シニアマネージャー → 佐官
パートナー → 将官
ジョブが始まると、メンバーが召集される。
初顔合わせのメンバーも多い。
「キミの所属とクラスは?」
「はっ、戦略グループ、コンサルタント2でありますっ」
「業界は?」
「はっ、通信業でありますっ」
「この間まで参画していたプロジェクトは?」
「はっ、固定網のIPv6化に伴う音声通信の事業再編戦略策定に参画しておりましたっ」
「んじゃ、まずは、特盛のつゆ抜きとドクターペッパー買ってきてくれや。あ、七味は多めに貰ってきてな」
「はっ、了解しましたっ」
最初の会話はこんな感じ。
はじめて出会うメンバーでも、数時間でチームとして機能しなければならない。
仕事の進め方や思考回路が人によって異なっていては、短時間でチームを立ち上げられない。
各コンサルティングファームにはそれぞれ「メソッド」として、仕事の進め方を定義してている。
メソッドはグローバル単位で統一されている。
国境を超えたメンバーでチーム編成をすることも多いので、国籍が違っても、仕事の進め方は基本的に変わらない。
自衛隊や軍隊との大きな違いは、常に戦闘状態にあることだ。
クライアント企業は、自分達単独では無理だ、と判断した仕事しかコンサルティングファームには依頼しないので、難易度の低い仕事は存在しない。
戦略コンサルタントは毎日、「プロジェクトX」状態が続く。
修羅場は戦略コンサルタントである限り、毎日、延々と、際限なく、ひたすら、退職するまで続く。
クソ高い金を払うんだから、とクライアントはあれもこれもと要求する。
営業スマイルで何でもかんでも受けてしまうパートナーを、僕らマネージャーはクライアントのご機嫌を損ねずに牽制しなければならない。
下手に受けてしまうと、今度はスタッフに後ろからぶすっと刺される。
僕らは倒れようが死のうが、骨を拾うものなし、という点では軍隊というよりも傭兵部隊といったほうが近いのかも。
03月17日(月)
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