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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■IBMウォッチング 〜PC事業のレノボへのまるごと売り飛ばし編
PCメーカーにとってPCはある意味、「(広告)マーケティング事業」である。
エンドユーザーが毎日、ロゴを見てくれることにのみ、意味がある。
コンピュータメーカーはこぞって、サービス事業への転換を急いでいるが、システムの裏側を気にするエンドユーザーはいない。
エンドユーザーは、どこのベンダーが自社のシステム開発をしているか、どこの企業が保守しているか、サーバーのOSが何か、DBが何か、ミドルウエアが何か、そんなことには興味がない。

IBMにとっては、「(広告)マーケティング事業」としてのPC事業をどう評価するか、という問題だったのだろうと僕は推察する。
IBMは、「(広告)マーケティング事業」としてのPC事業に見切りをつけた、という事だと思う。

日本のPCメーカーは、いまだに日本独自のコンシューマーモデルを開発し、初心者向けの機能てんこ盛り戦略を取り続けている。
マーケットとしてある程度の規模を持つ、日本を無視するわけにはいかないけれどグローバル企業は、あまりにも極端な独自路線を走り続ける日本マーケットにつきあっている余裕はない。

PC事業はコンシューマー、ビジネスの両面において既に何の魅力もないマーケットである。
そして、このPC事業と同じ道をデジタル家電が辿っている。
勝ちなし、の全員負け。
誰も生き残れない。

撤退の決断は、いつだって難しい。
参入よりも撤退のほうが、ずっとずっと難しい。
PC事業の撤退をいち早く決断したIBMはやっぱり偉大だな、と思う。

01月22日(土)
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