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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■これでいいのか大田区政?by第一回定例会一般質問
そこで、大田区立中学校28校の学校名を表示した評定割合の一覧表を公文書開示請求で求めたところ、学校名のみ非開示として決定通知をいただきました。その非開示の理由は「開示された学校に差別や偏見が生じる恐れがある」「学校が根拠のない批判を.受け、次年度の評定に不当な圧力が加わる恐れがある」との実に意味不明のものでありました。
先ほどの進学塾では保護者にその住所地周辺の学校名と評定割合を教えておりますし、東京都教育庁総務課に確認しましたところ、東京都では学校名を表示して開示するとのことでした。つまり、民間の進学塾では公開し、東京都も開示している資料を、なぜことさら大田区教育委員会は隠そうとされるのでしょうか。学校別評定割合を東京都が公開しているのに、区が拒む合理的理由をお示しください。
この評定割合がどの程度違うのかを、主要三教科で見てみましょう。評定割合にもっとも大きな差があったのは数学です。5の割合が最多の大森第一中学校では21.9%、反対に少なかった馬込東中学校では1.6%となっています。同じく英語では、東調布中学校20.8%、蒲田中学校3.1%、国語では矢口中学校17.7%、蒲田中学校4.2%となっております。では、教育委員会が危惧されている地域間格差があるのか確認しましたが、少なくとも評定割合において西高東低という結果は見出せませんでした。
永井議長や荒川議員の出身校と私の娘が通った中学校は学区もだぶっていて距離的には至近でありますが、数学の5について2.4%と19.7%という10倍近い開きがあるのです。
都立高校の入試では、内申点と入学試験の成績を1000点満点に換算して合否を決定いたしますが、300点から400点を占める内申点はこの5段階評価が決め手となります。東京都教育庁都立学校選抜担当に確認したところ、この評定割合は毎年もらってはいるが、学校別の評定割合を考慮しての選抜は行っていないとの回答でした。
つまり、5を多く取れる学校、4を多く取れる区立中学校を選択したほうが、高校進学にはよい結果が得やすい、という極めて単純明快な原則が存在するのです。5段階の評定に地域間格差が見られず、学科ごとに同じ学校でもばらつきがあるという現実からは、担当教員の属人性しか原因を見つけられないのです。でないとすれば、はたして原因は何でありましょうか。いずれにしても、このような大きな差は公教育の機会平等の原則にも反し問題です。中学校間の評定割合の大きな差について、原因とお考えをおうおかがいいたします。
最後に、作家の曽野綾子さんが産経新聞に書かれていた文章をよませていただきます。
ある地方都市で夫婦ともに重度の障害者である両親の面倒を、おむつをした赤ちゃんがみている、との驚くべき話を施設の神父様から聞いた。
お父さんは歩いてトイレにいけない。そこで「尿瓶」と言うと、赤ちゃんが「尿瓶」を持ってきて、用を足した尿瓶をトイレに持っていって捨てる。この赤ちゃん自身も、おむつを汚すと、自分で新しいおむつを持って、歩けない母親のところに行き、ころんところがり、おむつを替えてもらう。そして、汚れたおむつを自分で捨てるのだそうだ。
人は、自分が他人に与える立場にいるという自信を持つ限り、自暴自棄になることはない。
今の日本は不満だらけだ。その理由は国家から、会社から、親からもらうことばかり当てにしているのに、彼らはそれほど豊かに与えてやれないからだ。親や国家が無能なのではない。だれも自分を助けてくれる人は本質的にいないのだ。「赤ちゃん」まで親のために働ける。日本人の精神の方向性を、もらう期待から与える姿勢に180度転換すれば、この閉塞的な空気の重苦しさを解決する場面は多い。
この食うや食わずの状況で人を助けられますか、と言う人はあるだろうけれど、それは間違いだ。いささかでも与える生活はどんな貧しい境遇でもできる。与えることは国家社会に利用されることだ、という思想を払拭できれば、思いがけない道も開くのである。
もの事の見方を変え、我が国の古き伝統を守り、公教育が、そして大田区民の雇用が守らるよう願って私の質問を終わります。
02月27日(金)
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