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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「1917 - The Alien Invasion DX」のこと
「1917 - The Alien Invasion DX」Andrade-Games)の全実績を達成したので感想を。
宇宙から攻めてきたエイリアンを、科学者が戦闘機に乗って立ち向かう縦STG。
操作は移動と高速ショット、低速ショット、ボム。縦STGとしてはごくごく一般的な操作系である。
プレイヤーは最初に性能の異なる複数の戦闘機から1機を選び、それを操って敵弾に被弾しないようにショットで敵を倒していく。パワーアップアイテムを取るとショットが強化され、シールドアイテムを取ると1回だけ被弾に耐えられる。面の最後にいるボスを倒すとその面をクリアしたことになり、次の面に移る。全8面。
シールドを装備していないときに被弾するとミスとなるが、残機は無くその面の最初から再開する。
手垢の付いた設定にどぎついグラフィック、抑揚に乏しく盛り上がらない音楽、雑に見える敵の攻撃と、どこをどう見ても魅力的な要素を感じることができないであろう。恐らく、大半の人はこの時点で興味を失うかと思われる。
しかし、いざ勇気を出してプレイしてみると、見た目からは想像もできないほどにしっかりとSTGしている(あくまで見た目に対してだが)ことを思い知らされる羽目になる。確かに初見殺しの攻撃は多く雑な調整のように感じてしまうが、そこをじっと耐えて敵の配置を把握していき先手が取れるようになれば、ちゃんとこちらが主導権を握って攻めることでの優越感を得ることができる。しかも、コンボまで用意してあり、そちらも詰めていくと生意気にもコンボを繋いで楽しめることに何故か悔しさを覚えてしまう。そして、攻撃の激しい場所ではシールドアイテムが用意してあり、意外と親切な面すら見せてくることにきっと戸惑うだろう。さらに、戻り復活ではあるものの道中が短いこともあり、パターンを構築して突破するというSTGの基本的な面白さを手軽に楽しめることに気が付いてしまうかもしれない。その他にも低速と高速のショットの使い分けもちゃんと要求してきたり、ボスは視認できる程度の弾速で純粋に避けて撃ち込んでを楽しめる攻撃を仕掛けてきたりと、プレイするうちにSTGとしての完成度がそれなりにある(決して高いとは言わない)ことが徐々に明らかにされていく。そして、「あれ、このゲームって意外と遊べるのでは?」という印象を抱いたら最後、もうB級STGの魅力にまんまと嵌ったと言わざるを得ないだろう。
あと、Steamには日本語非対応とあるが、幕間のデモはしっかりと日本語に対応しているのが意外であった。物語が十分に理解できる程度には翻訳されているもののどこか危うい言葉選びに、ますます怪しい魅力が深まるのが実に素晴らしかった。
初見ではプレイしたことを早まったこの作品だが、演出の垢ぬけなさ、システムや調整の隙の多さ、期待度が低いことに起因する意外性など、完成度の高いSTGでは決して味わうことのできない魅力に満ち溢れており、全実績を解除する頃には私のB級STG欲を見事なまでに満たしてくれた。非常に高い満足度を得ることができて、プレイして本当に良かったと思う。
ただし、あくまでB級STGとして見た評価であり、少なくとも定価で購入するのはお勧めしない。私はセールで100円を切ったときに購入したが、その価格であれば十分に元は取れた。
07月04日(木)
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