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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「Touhou Luna Nights」のこと
 資源管理はやや厳しめで、開始直後はすぐにMP切れや時間切れになって攻撃ができなくなることも多々あった。こちらはグレイズや時間停止の活用が前提である調整となっており、その辺りに関してこの作品独特の感覚をつかむ必要があった。特に、ボス戦では資源回復のための場面が意図的に用意されているので、それを見極めないと防戦一方となり苦戦は必至だが、逆にそれを見極めされすれば攻撃し放題であり、攻略のし甲斐があった。それが一番楽しめたはEXTRAボスの霊夢。攻略が楽しいボスに出合えると、アクションゲーム好きとしてはやはり嬉しいものがある。

 演出面では、やはりドット絵の緻密さに目を奪われる。3Dでは再現が難しい細かい動きを精緻に描いており、完成度の高さは東方二次創作ゲームの中でも群を抜いているように思えた。戦闘前に眼鏡を外すパチュリーのような、1回しか見せ場の無い動きでも、というかむしろ1回しか見せ場の無い動きにこそドット絵に多大な労力が費やされており、そこに製作者のこだわりを強く感じ取ることができた。
 また、東方二次創作であれば音楽面でも原曲アレンジが気になるところだが、こちらも抜群のロックアレンジで終始楽しませてもらえたと同時に、「紅魔郷」が名曲揃いであることを再認識させられた。また、ルナダイアルに始まりフラワリングナイト(ナイト・オブ・ナイツ)で締めるという並びには、咲夜さんへの敬意、ひいては原作への敬意を感じられるものがあった。

 ゲームの規模はEXTRAを含めて10時間程度でクリアできる程。大作探索アクションをプレイした人には物足りなく感じるかもしれないが、探索アクションとしての基本はしっかり押さえてあり内容は十分に伴っている。また、やり込み要素も特に用意されておらず繰り返しプレイする魅力は正直高くはない。しかし、こちらも変な縛りプレイを要求されるよりは遥かにましである。
 東方の原作要素を探索アクション向けに独自性を出して上手に取り込んでいる上に、それらへの敬意も存分に感じられる丁寧な作りに、探索アクションとしても二次創作としても非常に好感の持てる作品であった。

11月23日(土)
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