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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「PianoForte」のこと
 9時頃起床。午前中は来週のライブに向けての買い出しなどを済ます。

 午後から「PianoForte」(ヘビサイドクリエイション)をプレイ。
 白と黒の世界をピアノの旋律と共に旅するRTS。
 操作は、コマンド、ステートチェンジ、ブースト。ゲージが溜まることで攻撃などのコマンドを発動することができる。ステートチェンジは攻防の切り替えで、それぞれの状態に応じてコマンドが変化する。ブーストは体力が減る代わりに行動が速くなる。パーティーは3人編成で、自分以外は攻防の状態に応じた行動を自動的に行う。また、1面に1回だけ強力な行動であるスペシャルが選択可能。
 パーティーは自動で画面右に向かって進み、敵と出会うと戦闘となる。勝てばそのまま進み、負けるとゲームオーバー。面の最後はボス戦となり、一定時間耐えることでクリアとなる。また、ボスの中には攻撃が直接効くものも登場し、こちらは一定時間内に倒さないと負けとなる。

 人の抱えた様々な悲しみを題材とした物語で、悲しみのあまり異形へと変化してしまった人々を救うという内容。白と黒で描かれた荒涼とした世界に落ち着いたピアノの旋律が流れる雰囲気が、時には不条理ともいえる悲しみへの感情移入を高めてくれる。
 ボスにはそれぞれに悲しい出来事が背景としてあるのだが、その描き方が実に秀逸。ボスとの戦闘との合間に背景でその出来事が寸劇のように再現されるのである。まるで舞台のように繰り広げられるその寸劇は回復の機会も兼ねており、プレイヤーは回復の最中にボスに起きた悲劇を舞台の観客のように把握することができる。これがRTSのシステムと実に相性が良く、戦闘と演出を両立させているところにただひたすら感心しかなかった。これはもう発想というより発明と言ってもいいかもしれない。

 ゲーム自体は一般的なRTSで、攻防を切り替えることで行動が変化するのが特徴。仲間が優秀なので、普通にプレイしていればとくにやられることも無く先に進めることができた。難易度としては低め。戦闘システムも音ゲー要素が導入されていたりと趣向が凝らされているが、全てを活用しなくてもクリアはできる。この点はもっとシステムを活用するような調整でも良かったのではないかと思う次第。
 ボスを倒すとエルツという結晶を入手して、再戦ができるようになる。そのボスと再戦して勝利することで、人間の姿となったボスを仲間にすることができる。全部で5人の仲間が増えるのだが、正直なところ彼らを活用しなくてもクリアは余裕にできた。折角の要素が全然活かされていないのは勿体ないので、クリア後にパーティ編成を考え戦闘システムを駆使して攻略するような、高難易度で世界観ぶち壊しなおまけ面があっても良かったかもしれない。

 白と黒とピアノの旋律で描かれた独特の世界観に戦闘の合間を利用した秀逸な演出は、その全てにおいて製作者の感性の高さを感じ取ることができた。ゲームとしては簡単ではあったが、心に残るものをしっかりと得ることができた作品であった。
11月24日(日)
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