ID:98041
雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
[917578hit]

■「プロテクトマキナ」のこと
 攻略は30面までは特に詰まることもなく順調に進み、なるほどゲームの雰囲気に合わせて難易度も緩いのかと油断させておいて、31面以降は幾度となく敗退させられてその甘い考えを微塵もなく打ち砕かれた。31面から登場するウイルスはその戦闘能力が急激に上昇するので、チップの性能をしっかり把握してきちんとそのウイルスに対処できるチップ構成を組まなければならなくなる。チップ構成を試してはその効果を検証していく過程は、30面まで到達するとなると1プレイの時間が結構長くなるので手間はかかるものの、システムを自力で紐解いていくという感覚が久しぶりに味わえてとても有意義であった。そして何より、涼しげな画面と甘い歌声によるゆったりした雰囲気に気持ちを委ねながらプレイできるので、繰り返しのプレイが全然苦にならなかった。これはとても凄いことだと思う。
 ただ、攻略の手間が説明不足に起因するところも否めない。AIの各能力値や攻撃の属性、メモリに関することなど、システムを理解する上で重要なことに対する説明がほとんど無く、それらは試行錯誤の上で理解しなければならなかった。この説明不足が攻略の敷居をかなり上げているように思えてならならず、非常に惜しいと思わざるを得なかった。そういう部分まで攻略させるというのはある意味同人ゲームらしいが、この作品については見た目からしてそういう厳しさは求められていないのではないかと思う次第である。

 ゆったりとした雰囲気にくつろぎつつも、攻略にはしっかりと頭を悩ます羽目になり、二重の要素で楽しませてもらえた。ほとんど自力で攻略したこともあり、一応の最終面である40面をクリアしたときの達成感は非常に高いものがあり、攻略の手応えを十分に味わうことができて大満足の内容であった。
 そして、RTSと環境映像の見事な融合にも高い評価を送りたい。1プレイの時間が決して短くはない作品だが、最後まで中だるみすることなくプレイし続けられたのは、環境映像的な要素のおかげである。仕事が終わって疲れた体に、この作品の持つ雰囲気は最高の癒しであった。
 あと、3曲用意された歌がこの作品の最大の魅力の1つであることは間違いない。どれも本当に可愛らしくて甲乙付け難く、どの曲でゲームをプレイするか毎回迷うほど。歌がメニューからでしか切り替えられないのがもどかしいので、メニューとは別に1クリックで切り替えられるようなボタンを用意して欲しいところである。

 今後プレイする方のために、説明不足な点を補っておきたい。
・AIの能力値
 AIには9つの能力値があり、主にサブチップで強化できる。
 POW:マテリアル属性の攻撃値に影響。ミサイル、ボムなどマテリアル属性の武器が強くなる。
 INT:クラフト属性の攻撃値に影響。レーザー、フィールドなどクラフト属性の武器が強くなる。
 DEF:マテリアル属性の防御値に影響。しかし、ウイルスのどの攻撃がマテリアル属性かは不明。
 RES:クラフト属性の防御値に影響。しかし、ウイルスのどの攻撃がクラフト属性かは不明。
 LUK:攻撃のクリティカル率に影響。クリティカル自体あまり出ないので、上げなくてもそれほど影響は無い。
 HIT:攻撃の命中率に影響。終盤で重要。一定値以上でないと攻撃が当たらないウイルスもいる。
 MOV:ゲームの進行速度に影響。進行速度が速いと短い時間で面クリアできるが、相対的に敵の密度も高くなる。
 MEM:メモリの最適化速度に影響。超重要。メモリの最適化については後述。
 AGI:攻撃速度に影響。攻撃間隔が狭くなり、単位時間当たりの攻撃力が上昇する。ただし、その分メモリの使用量も増加する。
・攻撃の属性
 マテリアルとクラフトの2種類がある。ほとんどのウイルスは両方の属性が通用するが、クラフトしか通用しないウイルスもいる。なので、両方の属性で攻撃できるようなチップ構成にしないと、そういうウイルスが倒せずに一方的に攻撃を受ける羽目になる。なお、同じウイルスでも通じる属性が異なる場合があるので、ウイルスの容姿では判断できない。

[5]続きを読む

04月28日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る