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窓のそと(Diary by 久野那美)
by 久野那美
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■人事の及ぶところについて祈ってはいけない
なにかが解決していく、その過程を描いたものがなんだか苦手だ。
そこに物語を見るのがどうしても嫌なのだ。
物語というのは、何かが解決していく過程にではなく、何かが解決し終わったあとに生まれる(残る)ものだと私はきっと思っている。誰が何をどうしようとも、もうどうしようもなくそこに残ってしまうもの。
具体的に解決できることは意外とたくさんあって、目の前のひとつからとりあえず手をつけていけば、けっこう片づいてしまうもののような気がする。解決不能に思えることのほとんどは、やってみればなんとかなるものだと思っている。
情緒的に全体を俯瞰するのはそれからでいい。どんなに効率よく、どんなに巧みにダイナミックに解決を図っても、それでも残ってしまうものは絶対にある。
どうにかすれば最終的にはどうにかなることをはじめはどうにかしないでおいて、それがどうにかなるまでの間を描いたものを物語と呼ぶことにどうにも興味が持てない。どうにかすればどうにかなることを、ドラマのためにわざわざ小出しにせんでも、だったらはじめからどうにかすればいいじゃん、と思ってしまう。
そんな具合だから。
「どうしようもないこと」にばっかり興味が向く。問題は、これから手をつけるものの中にではなく、手を尽くした後に残るものの中にあるような気がして。
・・と以前、制作の打ち合わせの時に言ったら、制作の中村くんに、
「・・どうしようもないことって・・・・それはたとえば秋が冬になるようなことですか・・?」
と言われた。・・・暴力的な例のようだけど、でも、それでも、そう。
「で、でも・・それは・・そうなのか・・・?」
と中村君は頭を抱えていた。
どこで聞いたのか忘れたんだけど、素敵な言葉がある。
<人事の及ぶところについて、祈ってはいけない。>
私は、物語というのは、「祈ること・そしてその方法のこと」だと思ってるのかもしれない・・。
04月02日(火)
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