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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ buku終刊「また逢う日まで」
「出張いまいまさこカフェ」を連載していた池袋シネマ振興会のフリーペーパーbukuが配布中の今号で終了。編集者の北條一浩さんと「おつかれさまランチをやりましょう」ということになった。

連載前に一度だけ打ち合わせしたときは、新宿トップスビル8階のカフェhuit(ユイット)で待ち合わせた。テーブルの真ん中から木が生えていて、ぐるりの壁を本棚が取り囲んでいて。こんな家に住みたいと思える理想の空間だったその店は、今はもうないので、はじまりの場所に帰ることはできない。

「出張いまいまさこカフェ」と連載名をつけてくれたのも北條さんだった。カフェにちなんで、再会の場所もカフェがいいと思い、このところ何度か雑誌で見かけて気になっていた「cafe1894」を提案した。勘違いして「cafe1984」とメールを打った。

三田線が巣鴨駅の停電で止まり、30分遅れて日比谷の三菱一号館に到着。その一階に、目指すcafe1894はあり、わたしが店に入ると顔を上げた男性が北條さんだった。街ですれ違っても、多分お互い気づかない。bukuは3か月毎の刊行で、連載は22回を数えるから5年余りぶりの再会になる。

天井は高く、椅子は肘かけつき。床の木は飴色。美術館のカフェらしい優雅さをたたえ、カフェの空間そのものがアンティークな芸術品のように格調高い。

麗しいランチをいただきつつ、いろんな話をした。わたしとbukuをつないだのは、bukuの装幀を手がけていた名久井直子で、まずは彼女の話がとっかかりになった。今や売れっ子ブックデザイナーの名久井とは、北條さんが「編集会議」のライターだったときに取材をして知り合ったという。わたしは会社員時代に名久井と机を並べて仕事していた。縁って面白いですねえ、とそこからは、いろんなつながりに話が飛んだ。

本の縁。映画の縁。どこで何がつながるかわからない。大好きな作家の西加奈子さんに念願かなって会えた話をしたら、北條さんも西さんを取材されたことがあったとわかり、西さんいいですよねえと盛り上がった。ツイッターの話に飛んでも脚本の話に飛んでも、連想ゲームのように話が広がり、次の駅へ運ばれていく。

つながる人とはつながるのだとあらためてうれしくなり、「たまちゃんとどうぞ」とプレゼントされた包みを家に帰って開けてみると、スロットマシンでマークが三つそろったような「こんな本探してたのよ」が三冊。子どもに読み聞かせたい絵本。組み立てて立体の乗り物になる塗り絵。親子で東京散歩のガイド。

編集者・北條さんの「感想力」の高さはこれまでも日記でたびたび取り上げてきたけれど、メールでの原稿のやりとりから、わたしの好みをずばりと見抜いてしまう能力にも驚いた。

そういえば、buku連載「出張いまいまさこカフェ」第1回のタイトルは〈脚本家は「つなげる」のが仕事〉。そして、buku連載最終回のタイトルは〈また逢う日まで〉。

最終回が掲載されている最終号のbukuは池袋の映画館などで無料配布中。表紙は『ヒミズ』の園子温監督。見つけたらぜひ手に取ってみてください。ビターシュガーの市子の所信表明に触発されて、脚本家・今井雅子のこれからを語っています。
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「新宿バルト9」と打とうとして「しんじゅくばるとないん」を変換すると「真珠配るとナイン」と出た、わがおとぼけMac。真珠配ると、なくなるわなあ。

丸と棒の人形を描くと勝手に動き出してパラパラ漫画的冒険アニメのはじまりはじまり。劇中の小道具や背景も自分で描き足します。どうやったらこんなの作れるんだろ。不思議不思議→Draw a #stickman

【たま語】「じいじ かみのけあるよ。うしろにあるよ」待ち人はじいじなのね。→ たまえさんの【いいひとうん】。ことしは いいひとが みつかりますよ。かみのけの あるひと です。http://twitpic.com/820r26 #たまくじ http://shindanmaker.com/180186


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