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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 尾道「てっぱん」ツアー1日目
春先に「てっぱんの話をしに来てください」と尾道市の教育委員会の方より連絡をいただき、てっぱん大ファンのたまが同行を希望。でも子守をどうしようと思っていたら、これまた熱烈なてっぱんファンのせらままが、「あたし行く!」と手を挙げてくれ、「大人の遠足だ!」と指折り数えて出発の日を待つことになった。

せらままは、わたしの映画脚本デビュー作『パコダテ人』で、大泉洋さん演じる古田はるおの娘、まゆちゃんを演じた前原星良ちゃんのお母さん、前原実香さん。2001年の撮影当時せらちゃんは5才、今や高校生。当時影も形もなかったたまは、間もなく5才。

新幹線ではおいしいコーヒーとパンの朝食を!と意見が一致し、カフェラテと焼きたてパンを優雅に食しつつ西へ移動。たまもハイテンションをキープ。福山から尾道へ向かう山陽本線では車内の手すりをバレエのバーに見立ててバーレッスン。

尾道駅で、メールでやりとりを重ねた内海さんと、今夜のてっぱん談義の司会の河上典子さんが出迎えてくださる。講演依頼のメールは事務的に済ませる人も多いのだけど、内海さんは、気持ちの見えるメールを何度も寄越してくださり、尾道へ行くのがますます楽しみになった。

尾道グリーンヒルホテルにチェックインし、尾道市の公用車で、「お好み焼き 村上」へ送っていただく。カウンターだけ、6人掛ければぎゅうぎゅうの店内は満席。それでも10分待ち程度。休日は行列だそう。



順番待ち用のベンチの後ろに「てっぱん」村上家のサイン。鉄兄、お母ちゃん、お父ちゃん、あかり。あれ、欽兄は?

「村上流尾道焼き」を注文。3枚頼もうとしたら「大きいで、2枚で十分じゃわ」とおばちゃん。ひっくり返すところを写真に撮っていいですかと聞くと「ひやひやするわ」とおどけた。

店のおばちゃんとお客さんの掛け合いが楽しい。近所のおばちゃんが買い物してきたものを届けに来る。食パンと、スイカ。「糖度13度で398円。安いじゃろ?」。そのおばちゃんは時計の修理に5万かかったという。後で4万6千円と下方修正。「電池かえるついでに分解したけぇね」というが、直す直す詐欺ではないとしたら、どんな手のかかる時計なのか、興味をそそられた。

念願の尾道のお好み焼きは、砂ずりとイカ天とやわらかいそばたっぷり、それでいてしつこくなく、満腹、満足。たまも無言で食らいついていた。「あんたと同じぐらいの孫がおるけぇね」とお手伝いのおばちゃんがくれたヨーグルトもペロリ。

千光寺ロープウェイで山頂へ。「函館を思い出すね」とせらまま。山があって海があってロープウェイがあって。『パコダテ人』で函館と縁を結べたように、「てっぱん」で尾道と縁を結べた。作品を重ねるごとに新しい土地に出会える。日本地図に旗がふえていく。


山頂で、あかりちゃんのポスター見つけて、おどけるたま。手に持っている「てんこ」の葉書は、河上さんがポスターのパロディで撮影したもの。Tシャツの数字の767を、パーソナリティをつとめる尾道FMの周波数にあわせて794に。ご本人も遊び心と人生エンジョイオーラあふれる人で、遠い町に住む他人という気がしない。


山頂展望台からのビュー! 夜上がったら、「あかり」の名の由来になった尾道の街の灯りが見えるはず。


「てっぱん」にたびたび登場する鼓岩、通称「ぽんぽん岩」では、記念撮影する人が、ひっきりなし。大ファンという女性と少しおしゃべり。


立て札のロケ作品紹介には誰かが「てっぱん」の写真を追加。


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07月15日(金)
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