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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 絶品パスタとマドレーヌと「はからめ」
人生の半分以上のおつきあいになる京都のMさんが昨日から泊まりに来ている。わたしにとっては、小姑のような手強いお姉様。「今から毒を吐きまっせ」と予告の上、「このごちゃっとしたのは何なんや?」「この鍋の中身は、いるんかいらんのか?」「湿った布巾なんか考えられへんわ。食中毒出すで」と矢継ぎ早にダメ出しが飛ぶ。食中毒より怖いのはM毒なのだけど、はいはいと聞き流していると、ダメ出しは2ラウンド目に突入する。
「そのうちやるからいいでしょ」と口答えすると、「いや、自分で気持ち悪ないん?今やったらええやん」。たしかに、そのうちと言いつつ先延ばしにしているのはたしかで、痛いところを突かれているのだけど、素直に従うのも面白くない。わかりましたよはいはいとささやかな抵抗を試みつつ、たまっていたガラスの類いを処分した。
「この包丁切れんな」「この鍋重っ。ようこんなん使ってるわ」と毒づきつつ、家にある材料で世にもびっくりなおいしいものを作り上げるMさん。「てっぱん」の民男は初音のことを「手からおいしなるビーム出てるんちゃうん?」と言ったけど、まさにそんな感じ。
野菜だけのトマトソースのパスタに、生ハムとベビーリーフのサラダをのっけて、絶妙な塩加減が完成。

学生時代、貧乏学生でMさんの家に押しかけては、食事をごちそうになっていた。生まれて初めて食べる七面鳥のワイルドライス詰めや、どの店よりおいしいコーンブレッドや、舌にとろけるミネストローネや……。その頃わたしたちは、食べさせてもらうのがあたり前のようにして食べ、たまにお礼をするとしたら、今思えばかなり安物のワインだった。時が流れ、Mさんの毒舌はさらに冴えたが、ようやく大人同士のつきあいができるようになってきた。

お菓子作りの腕前も玄人、というより実際プロとしてお店に出したりしているMさんが、お土産に持って来たのは手作りの焼き菓子。「これが、お土産なんやけど、ちょっと事情があるいうか……」と説明してくれたところによると、Mさんが材料費を負担し、ひとつ百円で買ってもらい、全額を復興支援に奔走している知人に活動資金として送っているという。
「はからめ」の名で活動する鈴木匠さんと鈴木佳子さんは、キャンピングカーに積めるだけの物資を積み込み、被災地を回っている。パソコンを一緒にのぞきこみ、はからめのサイトを見た。こういう人に送るとお金が活きるねという話をし、マドレーヌを買わせてもらう。「そのままお金を送るのもええけど、なんか自分でもやったほうがええやん」とMさん。マドレーヌを一個焼くのに材料費だけで40円はするというから、人件費も考えると、一個百円はもともと儲けの出ない価格。マドレーヌを作る人、置く店、買う人、気持ちを出し合うことに意味がある。
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@cop_eku 誤植がRTされるいたたまれなさ、わたしも何度か経験が。目が悪いので「ぱ」が「ば」になっていたのに気づきませんでしたが、誤植のあるつぶやきをRTするときに修正すべきかどうかも悩むところです。「てっぱん」となる前はそう発音していたのでは…と思ったり。
posted at 18:50:30
【たま語】家族の顔をお絵描きしながら「ママはだいすき。たまちゃんはおっかない。パパはめんどくさい」。一家三人の勢力図はそうなっているのか。
posted at 18:47:47
娘の女子力を見習いたいです。QT @takamotoko @only39love @masakoimai 強気な台詞が似合ういい女たまちゃん、現在4歳。
posted at 18:46:29
@horoyoka こちらこそ楽しいやりとりに励まされました。ありがとうございます。寺田さんも関さんも次の作品が形になっていますね。てっぱんスタッフ・出演者をこれからも応援していただけたらうれしいです。
posted at 18:42:36
@zunko83 @keita01234567 ちびまるこちゃん、油断して観ていると不意打ちで泣かされることが多いです。今日の回は母の日ネタでとくにど真ん中でした。 #chibimaruko
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05月08日(日)
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