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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ あの子はちょっと面白い、たま4才3か月。
結婚10周年記念日を一家三人でささやかに祝った昨日、たまは4才3か月になった。4才と4分の1、5才まであと4分の3。「5さいになったら、チョコレイトのペンでケーキにおえかきする」という約束が、たまにはとても魅惑的なものらしく。生協へ買い物に行くたびに、それを言う。生協の地下一階にデコペンという商品名のお絵描きチョコレートペンを売っている。
写真の「おえかき」は「ママとたまちゃん」とのこと。

この一か月で、愛らしい表情がふえた。表情が豊かになったのか、言葉が豊かになったのか。ますます、見ていて面白い、目が離せない。
先日は、サンタクロースからパパあてに電池をプレゼントされたという話をしていた。電池が切れてラジオが鳴らなくなるたびに電池、電池と騒ぐパパ。電池を入れると、生き返ったように鳴りだすラジオ。たまにとって、電池は小さな魔法装置であり、「パパがいちばんほしいものは、でんち」だと素直に思っている。そしてもちろん、「サンタさんは、いちばんほしいものをとどけてくれるひと」だと信じている。
保育園の行き帰りに毎日通るショップ99がローソンショップ100に変わったことにわたしは気づかず通り過ぎていたけれど、たまは内装工事中の店舗前を自転車で通りがかった一瞬で「キュッキュがキュッキュじゃなくなったんだよ」と言い出した。後でわたしが確かめてローソンになったんだよと教えると「これからはキュッキュってよんじゃだめだよ。ローソンってよばなきゃ」。そして、レシートに印字された小さなロゴを見て「ローソンだね」と言う。
文字はまだ読めない(でも、「た」と「ま」と「え」と「と」と「の」と「み」はわかっていて、「た」と「ま」と「の」らしきものは書く)から、世界を文字ではなく形で見ている。ロゴや看板の記憶力にいつも驚かされる。写真を撮るように風景を記憶して、同じ形に再会すると、あのとき見たあれと同じだと瞬時に記憶データファイルと照らしあわせる。
先日、もう一年以上行っていない薬局の前を通り過ぎて、「ここに、たまちゃんちとおなじおもちゃ、あったね」と言い出した。わたしは記憶を掘り出せなくて、どんなおもちゃだったっけと聞くと、「シャカシャカおとがなるやつ」。そういえば、出産祝いでいただいたマラカスだったと思い出した。
「てっぱん」は思った以上に楽しんで見てくれている。始まった頃は「おかあさんといっしょ」を見たがったけれど、最近は朝7時45分からの衛星放送の後、8時の地上波にもつきあい、さらに「アサイチもみないとね」とコメントチェックまで見届けてくれる。行く先々でせっせと宣伝し、励ましてくれる。「ママのおしごと」への理解は、ずいぶん成長したなと思う。
保育園ではあいかわらず、毎朝転入生みたいにしりごみする。輪の中に入らず、外から眺めていたりする。先生のことも、お友だちのことも、とてもよく見ている。大阪の母いわく、わたしもそんな子だったらしい。同じ場所にいても、人と違うところを見ている。地面から数センチ浮いているようなところがある。
よく行く近所のお肉屋さんとすれ違ったとき、わたしは一人で、たまの話になった。「あの子はちょっと面白いね」とお肉屋さんは言った。子どもはみんなユニークだけど、たまはとくにそう思わせる何かがあるのかもしれない。
この子はどんな子になるんだろうねえ、とダンナと話す。マイペースであることは確か。喜怒哀楽はかなり激しく、協調性より独創性を発揮。
そういえば、広告会社に入社した頃の若さとガッツが空回りしていたわたしに、「今井は強調性と独走性が強すぎ」とたしなめた先輩がいた。言い得て妙と感心したが、たまもまた、そんなところがある。そして、負けず嫌いなところもわたし譲り。決して忍耐力は強くないのだけど、おだてると底力を出す。大人の足で一万歩の距離を弱音をはかずに歩き続ける4歳児は、なかなかいないのではというのがダンナとわたしの「うちの子自慢」。マラソン大会4歳児部門があったら上位を狙えるのではと思っている。
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11月23日(火)
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