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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 子どもは世界を絵でとらえる
原稿を提出したので、昨日延長保育だったこともあり、今日は早めに保育園へ迎えに行く。「ぴーまんこうえんへいこう!」とわたしの手を引っ張り、ぐんぐん歩くたま。何度も角を曲がり、本当に道がわかってるのかなと不安になるが、ピーマンの形の椅子がある公園に無事到着。保育園のお散歩で何度か行っているらしいが、よく道順を覚えてるなと感心した。

文字をまだ獲得していない子どもは、世界を絵としてとらえている。記憶術の指南書が「写真を撮るように記憶せよ」などと説いているが、子どもはそれを本能的に日常的にやっている。

そういえば、昨日、驚いたことがあった。保育園からの帰り、靴箱の上に鬼のお面の忘れものがあった。白いお面に一人一人マーカーで色をつけたもの。「あら誰か忘れてるわ。誰かしら」と先生方が話していると、たまは「○○ちゃん」と迷わず持ち主の名前を挙げた。先生がお面の裏に書かれた名前を確認すると、合っていて、「お友だちの絵柄を覚えているのねえ」と大人たちは感心しあった。

保育園では一人一人に花や動物などのマークが割り当てられていて、たまは「ひまわり」なのだが、お友だちのマークをすべて覚えている。マークを覚えているというより、マークで覚えていると言ったほうがいいだろう。

文字情報を持たない豊かさをできるだけ長く味わわせたいと思っている。

ここ数日のたまの子守話リクエストは、「うちにあかちゃんがいるんです」の話。もともと、この一言をお題にもらって即興で作ったもので、自分とどーも君が全然似てないけど仲良しの双子という設定をたまはいたく気に入り、飽きることなく何度もせがむ。

子どもは世界を絵でとらえ、その世界の中心は自分だと信じている。

子守話106「たまちゃんと ふたごの どーもくん」

うちに あかちゃんが いるんです。
なまえは たまちゃんと いいます。
たまごから うまれたから たまちゃんです。

なんと あの どーもくんと おなじ たまごから うまれたんです。
そうです たまちゃんと どーもくんは ふたごです。
ぜんぜん にてないけど ふたごです。

どーもくんは はが ぎざぎざしているけど
たまちゃんは はが きれいに そろっています。
どーもくんは はなも みみも ないけど
たまちゃんは はなも みみも ついています。

なにより おどろくのは どーもくんの あしが とっても みじかいことですが
たまちゃんは あしは そこそこながくて スタイルばつぐんです。

ぜんぜん にてないけど ふたりは とっても なかよしで
おひるねの ときは いつも だっこしあって ねています。
ほいくえんの ももぐみさんでも いつも いっしょに あそんでいます。

どーもくんは 「どーも」しか いえませんが
「どーも」だけで いろんな きもちを あらわすことができます。
うれしいときは「どうも〜!」と げんきよく とびはねます。
かなしいときは 「どうも……」と しおれます。
おこったときは「どうもっ!」と めを つりあげます。
はずかしいときは ちいさなこえで「どうも」と いいます。

たまちゃんは 「あにょ」だけで きもちを あらわします。
いまは とっても きげんが いいので
「あにょ! あにょ!」と とびはねています。

たまちゃんと どーもくん ふたりは とっても いいこなので
そだてやすくて たのしいですよ。


物語は、双子の母親がインタビューを受けて子どもたちのことを語っているようなスタイル。たまは「なによりびっくりするのは どうもくんの あしが みじかいことです」のくだりが大好き。

今日のtwitter(下から上に時間が流れます)
>>>twilogで読む

【たま語】ほのぼの言い間違いといえば、昨日の朝、保育園へ行く前に布団でゴロゴロしているので急かしたところ「ダラララしてるの」。ダラダラより健康的な感じ。
posted at 20:31:40


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02月04日(木)
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