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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 「どーもくんのうた」と「おおさかじいじごっこ」
この頃、娘のたまが気に入っている遊び。『リカちゃんハウスの博覧会―マイホーム・ドリームの変遷 (INAX BOOKLET 9 No.1)』というムックを開き、そのページに出ているリカちゃんハウスを舞台に空想でリカちゃんごっこをする。ただいまと帰ってきて晩ご飯を食べたり、スーパーで買い物をしたり。わたしは場面に応じて、「ほうれんそうのゼリーを作ってみたの。だまされたと思って食べてみて」とすすめるママになったり、「いらっしゃいませ」とお冷やを運ぶウェイトレスになったり、レジを打ったりする。
「たまちゃん、有名人になる」という設定を場所を変えてやったりする。スーパーで、レストランで、歯医者さんで「あら、歌手のたまちゃんですか?」と声をかけ、サインを頼む。
木曜日の夜も、寝る前の子守話代わりに「平面リカちゃんごっこ」をやった。「パットちゃステージ」を舞台に、歌合戦という設定。パットちゃんはリカちゃんの親友で、売れっ子歌手らしい。まず、たまが「ちょうちょ」を歌い、続いてママ(わたし)が『子ぎつねヘレン』の主題歌レミオロメンの「太陽の下」を歌い、最後はパパの出番。
よし、パパはお茶目キャラにしてやろう、と最近CDで聴いた落語「そば清(せい)」の清さんを真似て「どうもー」と登場させると、その口調が面白かったらしく、大受け。それならと、司会に何を言われても「どうも」しか言わず、「どうも」のニュアンスで喜怒哀楽を表現させると、さらに受けた。
でも何の歌を歌わせようと考え、年末の忘年会で当てたNHKの「どーもくん」の歌なるものをでっち上げて、それを歌わせた。


どーもくんは、ビーズクッションになっていて、背中についているファスナーを開けると、中からたまごがでてくる。そのたまごにビーズを移動させると、どーもくんをたまごに収納できる。
その仕様をそのまま歌詞にしたら、これまた受けた。
歌い終わると、「どうも」しか言わない人に戻り、パパは司会に呆れられながら退場する……というナンセンスな話をたまはすっかり気に入り、せがまれて何十回も演じている。子守話ひさびさのヒットは、口述筆記の脚本形式で。
子守話102「どーもくんのうた」
司会「続いては、東京からお越しのたまちゃんのパパです」
パパ「どうも〜」
司会「初めてのステージ、緊張してらっしゃいますか」
パパ「どうも」
司会「あのー、緊張してらっしゃいますかと聞いているんですが……」
パパ「どうも」
司会「あ、ちょっと緊張しているようですね」
パパ「どうも」
司会「今日は何を歌ってくれるんですか」
パパ「どうも」
司会「真面目にやってください。何を歌ってくれるんですか」
パパ「どうも!」
司会「え?どうもって歌があるんですか?あ、失礼しました。では歌っていただきましょう」
パパ「♪どーもどーもどーも どーもくん 背中を開けたら、たまごが出てきたよ。たーまたーまたまたまごちゃん たまごを開けたら ど〜も〜 どーもくんが出てきたよ」
司会「ありがとうございました」
パパ「どうも」
司会「それにしても変な歌ですね」
パパ「どうも」
司会「ほんとにそんなへんてこなどーもくんがあるんですか?」
パパ「どうも!」
司会「あなたはどうもしか言いませんね」
パパ「どうも」
司会「もう結構です。お帰りください」
パパ「どうも〜」
もうひとつ、たまが夢中になっているのが、「おおさかじいじごっこ」。
きっかけは、ピンクのくまのぬいぐるみを「君のお父さんそっくり」とダンナが言い出したことだった。くりくりした目と額に渦巻くちょろっとした髪の感じが言われてみれば似ている。ダンナが「おおさかじいじだよ」と教えたものだから、たままで「おおさかじいじ」と呼びだした。
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01月17日(日)
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