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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 2歳児の「ない」という感覚
昨日の夜、娘のたまが突然「かえる」と言い出した。「どこに帰るの?」と聞くと、「しゅがも」と言う。巣鴨のじいじばあばの家が、たまにとっては帰る先らしい。早速電話して報告したら、「まあうれしいわね」とダンナ母は大喜び。ぐずってだだをこねた勢いではなく、落ち着いているときの発言で、母としてはフクザツではあるが、それだけじいじばあばになついてくれているのはありがたい。
二つの家を持つたまは「これはしゅがもにもあるよ」「これはしゅがもにはないよ」とうちと実家(?)を比べる。少し前までは「おんなじおんなじ」を見つけて喜んでいたが、そこから少し進歩して、「ある・ない」の比較をするようになった。先月までは「たまちゃんおちんちんあるよ」と言っていたが、今は「ない」とわかっている。今週は保育園の先生に「たまちゃん おっぱいないよ。おまめなの」と言ったとか。迷言連発でたま語収穫も大忙し。
たまの「ない」発言にヒントを得て、子守話を二つ。
ひとつめは、「ゆきねずみがいない」話。先日、カレンダーのイラストの雪だるまを二人で見ていたら、「ゆききりんがいるんだよ」とたまが言い出し、「ゆきことりもゆきしまうまもゆきうさぎもゆきらいおんもいるの」と続けた。「じゃあ雪ねずみはいるの?」と聞いたら、「ゆきねずみはいないの」ときっぱり言う。どうしてなのかは教えてくれないけれど、何が何でもいないらしい。なので、ゆきねずみがいない理由を考えてみた。
子守話56 きえたゆきねずみ
ゆきがたくさんふって つもった そのよるのこと。
のはらのまんなかに どうぶつたちがあつまりました。
おおきなからだの ゆききりん ゆきらいおん ゆきしまうま。
ちいさなからだの ゆきうさぎ ゆきねずみ ゆきことり。
こどもたちが ゆきをかためてつくったどうぶつたちが
こどもたちが ねしずまったあとに うごきだしたのです。
どうぶつたちは おいかけっこをしたり かくれんぼをしたり
おもいっきり からだをうごかして あそびました。
よるがあけて おひさまがのぼってきました。
「ひかげにかくれないと ゆきがとけて からだがなくなってしまうよ」
とあたまのいい ゆきうさぎがいいました。
「それはたいへん。いそいでひかげにいこう」とゆききりん。
「さあ ちいさなみなさんは ぼくたちのせなかにのりなさい」とゆきらいおん。
そこで ゆきうさぎは ゆきらいおんのせなかに
ゆきことりは ゆききりんのせなかに ちょこんとのっかりました。
「さあさあ はやく ゆきねずみさんも」とゆきしまうまがいいましたが
「いやだ。もうすこしあそんでいく」とゆきねずみ。
「そんなことしたら とけてしまうよ。
ひかげでやすんで よるになったらまたあそべばいいじゃないか」
とゆきうさぎがいいましたが、ゆきねずみは
「たいようなんか こわくないよ」といって、うごこうとしません。
しかたがないので ゆきねずみをのこして みんなはひかげににげていきました。
のこったゆきねずみはどうなったかって?
あくるよる ゆきうさぎたちがのはらにやってくると
まっくろなこいしがふたつ おちていました。
ゆきがとけて ゆきねずみのめだまだけがのこっていたのでした。
二つめは、「9がない」話。たまが「1、2、3、4、5、6、7、8、10」と「9」を飛ばしたのを聞いて、「あれ、9がないよ」と言うと、「いいの。9はないの」とこれまた言い張った(強情なところはわたしに似ている)。「9がないと困るんじゃないの? だってたまの好きなアレがなくなっちゃうよ」というところから子守話が生まれた。
子守話57 9のないせかい
あるひ こわいまじょが そらとぶほうきにのってとんできて
たまちゃんにいいました。
「0から9のあいだで ひとつだけすうじをもらっていく。
どのすうじにしようかね?」
たまちゃんは うーんとかんがえました。
できればひとつもなくなってほしくありませんが
どうしてもひとつだけというなら
なくなっても いちばんこまらないすうじにしよう。
たまちゃんは2さい。
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04月17日(金)
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