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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ カンヌ98 3日目 いざCMの嵐!
(勤務していた広告会社マッキャンエリクソンに提出したカンヌレポートより)

7時前に起きて8時過ぎにpetit dejuner。cafe au laitがおいしい。croissontもふかふか。2つも食べる。1泊160フランでこれだけの朝食(おかわり自由、バイキング方式)がついてくるのは良心的。しかもchambreも毎日掃除してくれる。C'est bien.

陽射しがきついのでサンガードを入念に。会場(Palais de France)までは5分ほどだけど、その間にやけてしまいそう。

9:00〜 Category1 Alcoholic Drinks
少し遅れて266作品中253作品を見る。そのうち覚えているのは1割もないかも。かなり疲れた。印象は「Miller(ミラービール)のひとり勝ち」。とにかく面白いのは、ことごとくMiller。とくに大受けは1/112"LUCKY CAPS"。"If you get 3 Miller caps,it may be your lucky day tomorrow(ミラーのキャップを3つ集めたら明日はいい日かも)"のナレーションが入り、画面に順に出てくるミラーのキャップをじーっと待つ。その間の取り方が絶妙で、1つ出るごとに笑いが大きくなり、3つめの「ハズレ」にみんな大喜び。インタラクティブのいい例。

個人的に受けた1/144"Cooler/Generic"。イスやソファでくつろいでいるMillerビールたち。人間はどこかなと思ったらクーラーボックスの中でぶるぶる震えていた。パラドックスな世界。

1/159"Weird Guy"は爆笑。部屋の中でくねくね踊っているデブ男が、ボトルの "Twist to open(ひねって開ける)"を見ては踊る。どんなにひねっても開かねーなーと汗だくになり、ますますビールが飲みたそう。栓抜きのいらないフタのニュースを見事に伝えていた。

実験的なものとして1/108"Sideways"にも拍手。テレビを見てお疲れの皆様に横になって見られるCMというわけで、ボトルが横になって登場。おちゃめ。

1/109"Robot Love"は会場も拍手でわたしも好きな作品。"Not everyone watching this commercial may not have a Miller Time, but you might(このCMをご覧のすべての方がミラータイムを楽しんでいるわけではないかもしれませんが、あなたはそうかも)"のナレーションではじまり、ロボットとピクニックしている若い女が映る。ロボットがミラーを飲んで(浴びて)錆びて壊れてしまい、修理に出すとスクラップに。later that year(その年の後になって)彼女の新しい恋人が買ってくれたMillerは昔の彼氏(ロボット)をリサイクルしたもの。再会を喜び合う二人……という輪廻チックなストーリー(紹介文は"A classic love story with a buddhistic ending")。

満場一致の喝采で受けたのは1/116"FLY"。屋外パーティでMillerのグラスに落っこちたハエが出てきて飛び続けていると、自らたbug zapper(虫除け灯?)に飛び込んでしまう。そこに入るコピー、"Don't drive drunk(酔っ払い運転禁止)"に会場は笑いと拍手の渦。

元気さに圧倒というかド肝を抜かれたのが、1/117"Evil Beaver"。ログハウスを作った人間に怒ったビーバー(着ぐるみを着た人間が演じている)が「俺の木を返せ〜!」とログハウスにかじりつく。そのすさまじさとラストのビーバーのニヤリという何とも言えない表情に拍手。ツイストダンスのデブ男もビーバーも適役をうまく配している。コンテのアイデアを最高に形にできるヤツを選ぶというキャスティングの妙に感心。若いカップルの彼氏を弓で殺して自分が彼女の隣におさまる小太りキューピットの話1/118"Cupid"もありがちなのに笑えた。

"This commercial was specially made for Texas. Thank you for your time(このCMはテキサスのために作られました。おつきあいありがとうございました")ではじまる1/113"JIMMY IN TEXAS-COW"も受けてた。ミラーライト好きのジミーがテキサスがいいとこだと聞いて乗り込んでいく話。

1/110"PRO-WRESTLERS"は「指一本触れてはいけない」というプロレス対戦を終えたレスラー二人が試合の続きでビールを注ぎ損じるというもの。バーで二人並んで外すのがおかしい。

以上すべてUSAの作品。日本で作った1/112"MIRACLE JUMP"はUSA Miller15連発の後に出てついでに笑いを誘っていたけど、ノリ的にはかなり違った。"OK"ぐらいの受け取られ方。


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06月22日(月)
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