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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 一年ぶり!SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
少年の横顔の美しさが印象的だったが、Q&Aのときに少年を演じた高岩彩さんが登壇し、女の子だとわかった。監督が脚本を相談していた脚本家さんの姪っ子だそう。男の子のように髪をばっさり切ったことについて、「男の子の気持ちでやりたかった」と答え、役者魂を見せていた。『太陽の石』はロサンゼルス国際短編映画祭(去年「つみきのいえ」が出品された映画祭だそう)にも出品しているとのこと。
『アフロにした、暁には』は、事前に「シュールですよー」と藤村君本人から釘を差されていたのだけど、驚きよりも、「わあ、藤村君らしい」という納得が勝った。彼の作品は去年もこの映画祭の短編部門にノミネート(数百本の応募から2年連続で勝ち抜くとは、強運と実力の証)されているのだけど、わたしは見逃してしまっているので、映像を観るのは初めて。でも、函館のコンクールの受賞脚本と、今日観た映画には同じ匂いを感じた。ぶっ飛んだ設定を、ありそうに思わせてしまうのは、登場人物の存在感のチカラなのか。キャラクターと台詞がうまいというか独特というか、テクニックとは違う光るものがある。カセットコンロがライター代わりとか、泡風呂に入る彼女の脛毛を剃ってあげる男とか、細かいところが面白い。アフロにして映画を観に行ったら後ろの客が困る、怒るという場面、わたしもまわりもかなり受けていたけど、この作品を思いついたのは、「映画を観てて、頭が邪魔なヤツがいる」ということだったとか。
もうひとつ、藤村君の作品は、セックスがとても当たり前な顔して登場する。あるけれどないものとして描く「避ける派」でもなく、描くからには意味を持たせる「掘り下げる派」でもなく、食事の場面のように普通のこととして描いていて、無駄な力が入っていないところが、かえってユニーク。ぜひ、『引きこもる女たち』の脚本も自ら監督して、映像にしてほしい。
アフロになるダメ男役の柄本時生さんは、柄本明さん(『ぼくとママの黄色い自転車』の岡山のシーンで、正太郎じいちゃんを熱演)の次男だそう。なんともいえないとぼけた味わいがあった。去年同じくクロージングパーティで仲良くなった西田薫さん(去年の日記を読み返したら、西田さんがまず声をかけてくれて、藤村君を紹介してくれたのだった)も出演していて、「お元気そう!」をスクリーンで確認し、なんだかうれしかった。
短編映画を観る機会はなかなかないのだけど、短編こそスクリーンで味わうのはいいものだ、と感じる。3監督そろってのQ&Aも三者三様の映画への姿勢がうかがえて、聞きごたえがあった。
映画祭事務局の木村美砂さんとも一年ぶりに再会。映画祭スタッフの方にbukuのエッセイ連載を読まれている方もいたりして、故郷で歓待を受けたような楽しい一日となった。
07月17日(金)
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