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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 英国旅行3日目 巨岩と村と怪人
■4:30にBathに戻り、「今行けば間に合う!」と昨日偶然見つけた映画館へ走る。4:40からThe Phantom of the Operaの上演。座席はfront middle backから選べ、frontにする。ひとり£5.5。20分ほどのCMタイム(イギリスのCMトレンドもわかってなかなか面白い)に続いてトレイラー(予告編)上映。アメリの監督と女優が再び組んだThe longtime Engagementなど。期待の本編は、オークションにかけられた「オペラ座の怪人事件のシャンデリア」があのテーマ音楽とともに吊り上げられ、場面がモノクロからカラーに変わっていく冒頭(日本で観た予告編でもこのシーンが使われていて鳥肌が立った)から鷲づかみ。設定も時代も近い数年前のFOX映画、『MOULIN ROUGE(ムーランルージュ)』を彷彿とさせるが、それ以上に音楽と美術がとにかく圧倒的。■ムーランルージュの二コール・キッドマンのほうがヒロインの華はあったけれど、「その他大勢から歌姫に抜擢される」設定のクリスティン役には、愛らしいエミー・ロッサムがふさわしいのだろう。屈折した過去と類まれな才能を持つファントム(ジェラード・バトラー)がクリスティン(エミー・ロッサム)の歌声を目覚めさせるが、ファントムの正体を知ったクリスティンは苦悩する。ファントムとクリスティンの葛藤も切ない歌になっている。自分の才能を引き出してくれた恩人を裏切れないと揺れる気持ちには共感を覚える。台詞の合間に歌うというよりは大半の台詞が歌。クリスティンを想う御曹司ラウル(パトリック・ウィルソン)とのラブソングの歌詞も素敵。僕が君を守る、君がどこに行こうと〜♪ うっとりしているいい場面で、横からダンナが「わけわかんないよ」と話しかけてくる。どう見てもラブシーンでしょうが!
■2時間を超える長編だが、もっと見せて、まだまだ聞かせて、という感じで最後まで引きつけられる。地下の秘密部屋、華やかな舞台、雪の積もった霊園……妖しくも美しい絵が連なり、心を揺さぶる旋律で彩られ、すっかり魅了される。途中で迷子になっていたダンナも「すごいものを観た」と最後は喜んでいた。日本で字幕つきでもう一度観たい。映画館入口にはティム・バートン監督のCharlie and the Chocolate Factoryの告知が。こちらも楽しみ。■夕食は地元で人気のレストランという噂のWalnusにて。何を注文しても「Good」と親指を立ててくれる店員の兄ちゃんの感じがよく、おいしく食事できる。こういうお店にはチップも気持ちよく弾める。
12月29日(水)
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