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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 『パコダテ人』ロケ3 キーワード:遭遇 
『北海道のキラ星』と遭遇 ■一旦札幌に戻っていた大泉洋(おおいずみ・よう)さんと安田顕(やすだ・けん)さんが大正湯の前に現れると、たちまちファンに取り囲まれる。サインを求めて紙を差し出すのは、お母さん世代から小学生まで守備範囲が広い。人の輪が一瞬途切れたところで大泉さんに挨拶。相手の目をしっかり見て話す人。少し遅れて、一人で撮影を見守る安田さんに「若社長さんですよね?」と声をかけた。「脚本の今井と申します」「ああ。はじめまして」と腰を深々と折る。「あの……読ませていただきました。受賞のときのシナリオ。高橋学さんてご存じですか? その方にシナリオをお借りしまして……面白かったです」。高橋さんには会ったことがないが、シナリオコンクールで同じ年に受賞した札幌の田森君から、名前は聞いている。札幌でテレビの仕事や劇団運営に関わっている人で、田森君と映画も作っていたはず。その人と安田さんが仕事をしているらしい。「ラッシュ見て、若社長すごく良かったので、ひとことお礼言いたくて……」「いえ。こちらこそ、こういう映画に出られる機会はなかなかないものですから。本当にありがたいと思っています」「マンホールはすごかったんですよね。北海道で3万人動員したって聞きました」「僕ら北海道じゅう回ったんですよ。映画館のない街とか。映画の前にトークショーつけたりして。それで達成した数字なんです」「意味のある3万人なんですね」「ええ。本当に自分たちで一生懸命やって」「パコダテ人も見習わないと」と話していると、「安田はちゃんとやってましたか?」と大泉さん。「最高でしたよ、若社長。いい意味で裏切られましたね」「僕はどうでしたか?」「古田も最初考えていたのとは違ってたんですけど、大泉さんの古田になっていて、良かったです。泣きのシーンが湿っぽくならなかったり」「泣きのシーン?」「まゆに謝るところ。わたし、シナリオ読むとき、あそこでいつも泣いちゃうんですよ」「僕もあそこで泣きましたよ。え、僕の演技、泣けませんでした?」「あの感じが良かったんです。お涙頂戴にならなくて。こういうのもありだなあって思ったんですよ」「(聞いてない)。泣けなかったかー。ダメだったかなー」。この場を借りてしつこく言いますが、大泉さんの古田はチャーミングで味があって素晴らしかったのですよ。

◆2000年10月23日 『パコダテ人誕生秘話』

09月25日(火)
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