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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 教師失格から時はめぐって…堺・教師ゆめ塾講演
ネタの宝庫である子どもの発想に、今井雅子作品も大いに助けられている。アニメ「おじゃる丸」では娘の思いつきを膨らませ、絵本「わにのだんす」では「お金が目立ちすぎ」という子ども編集部員の意見をふまえて、「何のために稼ぐのか」というテーマがくっきりした。

「宝物はあなたの中にある。それを宝の山にするか、宝の持ちぐされにするかは、あなた次第」は、塾生の皆さん自身に向けた言葉でもあるし、子どもというネタの宝庫を活かせるかどうかは教師次第という激励でもある。学校という教育の場を宝島にできるかどうかは、教師と子ども、さらには保護者の心持ちひとつに掛かっている、とも言えるかもしれない。
その宝を掘り起こす呪文が、「なんで?」と「そんで?」なのだ。
さて、毎度楽しみな質疑応答。教師を目指す人たちの割には、出足はおとなしめだったけれど、「子どもたちから意見が出ないとき、どう引き出せばいいのか」「どうやってそんなに話すのが好きになったのか」「原作とドラマが違ってがっかりすることがあるが、原作をどう変えるかは、どうやって決めるのか」といった質問に頭をかき回してもらえた。

教師に向いていないと言われ、教師にならなかったわたしが、まわりまわって、教師を目指す人を前に、先生として話をしている。あのときわたしの資質を見抜いた先生も、こんな日が来ることは予想していなかっただろう。
講演後、今期の塾生募集案内を見ていると、塾頭で堺親善大使をご一緒している中谷彰宏さんの言葉に目が留まった。〈「たまたま」出逢ったものに全力を注ごう〉〈未来は、「たまたま」の中にある〉。この「たまたま」が、「石ころ」なんだと思う。目の前の石ころを一生懸命磨く。そのことを積み重ねていった先に、きらきら光る未来はある。

ゆめ塾の後は、堺市役所会議室にて、第2回石ころの会脚本教室。「中学生のドラマ脚本会議」がきっかけで始まった、学校の先生と「授業で応用できる脚本術」を磨くワークショップ。第1回>>>2012年10月14日(日)「石ころを宝石に」先生たちと6時間 が大いに盛り上がり、続けていくことに。
今回は新学期ということで都合のつかない先生が多く、参加者は4名。その分、密度の濃い教室に。3時間足らずの間に「ハテナの箱」「好きと伝える」「ドアを開けて」「あやまる」とお題に沿って即興台詞劇を4連発、さらに「台詞だけ・1場面だけ・登場人物二人だけ」の石ころ式脚本術で『桃太郎』の旅立ちの場面の脚本を作って発表するところまで。4人4様の桃太郎が生まれ、その面白さに一同ワクワク興奮。
このままの形で授業でできるのか、さらなる工夫改良が必要か、石ころ磨きは続く。
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04月20日(土)
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