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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 読んで満腹『おとなの味』(平松洋子)
「すっかり忘れていること。忘れていることさえ気づかなかったこと。うっかり記憶の外に放り投げられていること。じつは、それらもまた、ひとりひとりを支えている。いやむしろ、覚えていること、知っていることなんかほんのわずかなのだ。知っていることに比べたら」というくだりが本文中にある。その「記憶の外」にあるもののいくつかをたぐり寄せ、あれをもう一度食べたいなあと舌なめずりしたり、一緒に食べた人の顔をひさしぶりに思い出したりし、自分がいかに食べものの幸せな記憶を持っているかということに気づいた。親に贈られた味。人生の先輩に教わった味。好きな人と見つけた味。わたしをつくってくれた、たくさんの味に感謝。
06月28日(土)
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