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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ イタリアン風味の塩せんべい
そのとき 2かいのまどから「たすけて!」とこえをはりあげたのは
たまちゃんではありませんか。
おうちのそとでは たまちゃんのおとうさんとおかあさんが
おろおろしています。

ゾウはもう ないてなんかいるばあいではありません。
ながいはなをせいいっぱいのばして 
川のむこうまでのばして 2かいのまどまでのばして
たまちゃんをつかまえました。
ゾウさんがたまちゃんをあんぜんなばしょにおろすと
おとうさんとおかあさんがかけよって 
たまちゃんをだきしめてなきました。
それから「ゾウさんありがとう」とゾウのはなにだきついてなきました。
うれしくてもなくことがあるんだとゾウはびっくりしました。

ゾウはおれいをいわれて しあわせなきもちになりましたが
まだ やることがのこっていました。
ゾウは ながいはなをのばして 川のみずをくみあげると
もえているおうちにむかって ちからいっぱいふきつけました。
なんども なんども。
だいどころからでた火は どんどん小さくなり 
ほかのへやにもえひろがるまえに けしとめられました。

しょうぼうしょからひょうしょうされて 
ゾウはまちのにんきものになりました。
ゾウのながいはなは おおいそがし。
川でおぼれそうになったこどもをたすけたり
たかい木からおりられなくなったおとなをたすけたり
川のむこうがわからこちらがわのとどけものは
ゾウのはなをつかえば まわりみちしなくたって ひとっとび。
まちの人たちは おおだすかりで おとなもこどもも
「ゾウさん ゾウさん」とたよってきます。

ゾウはもうひとりぼっちではありません。
ゾウはもうさびしくありません。
ゾウはもうなきません。
ながいはなをほこらしげにたかくあげて 
きょうもだれかをたすけにいきます。

02月18日(月)
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