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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ シュークリーム・ランキング
シューが好きということはエクレアも好きだ。ポーランドの古い城下町クラコフでは、道行く人たちがホットドッグ感覚でエクレアを頬張っていた。ポーランド人のくわえタバコ率の高さには驚いたが、タバコをくわえていない人はエクレアをくわえていた。どのパティスリーのショーケースにも必ず並んでいるエクレアを食べ比べるのは楽しかった。ポーランドではエクレアのことを「棺桶」と呼ぶと聞いたことがあるけれど、真偽のほどは未確認。でも、似ている。写真は、わたしのエクレア好きを聞きつけた友人のテスン君が手土産に持ってきてくれたもの。ビターなクリームといい、小ぶりで細身のサイズといい、大人のエクレアという感じ。味も洗練されていて、ひとつ上の高級感を醸している。名前は失念してしまったけれど、世田谷の梅が丘のほうのお店。

エクレアといえば、『子ぎつねヘレン』の打ち合わせのとき、誰も手を出していない差し入れのエクレアに、誘惑に負けてかぶりついた途端、はちきれんばかりに詰まったチョコクリームが飛び出し、打ち合わせ用の脚本の上に着地した。まだ突っ込みを入れられる人間関係ができる前だったので、何もなかったかのように会議は続けられたのだが、チョコレート色の日の丸みたいになっているのを見て見ぬふりされるのは何とも不自然だった。誰も突っ込まないので、ティッシュくださいとも言い出しにくい。焦る手の中ではコーティングのチョコレートが解けはじめているが、次のひと口で新たなチョコ鉄砲が飛び出す危険があった。その後どうしたかの記憶は抜け落ちているけれど、こういうのを間が悪いって言うんだなあとか、こうなるから誰も手をつけてなかったんだなあと反省したことだけは覚えている。

02月23日(金)
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