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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ マタニティオレンジ82 たま6/12才と応援団
8月22日生まれの娘のたまが2月22日(わたしの母の誕生日でもある)に6か月になった。節目の半年、はじめての風邪がおさまり、元気がいちばん、としみじみした。風邪を引いた以外はすくすく育っているように思われる。下の歯が二本顔を出したので、授乳の後、水を含ませたガーゼでぬぐっているが、離乳食はまだ始めていない。観察対象としてもどんどん面白くなっている。2月の頭に寝返りとおすわりを相次いで決め、表情や手の動きがさらに豊かになった。お風呂の中では両手を振り回して水面をたたく。顔にしぶきを浴びても平気で、歓声を上げる。おもちゃを与えられるより、一緒に体を使って遊ぶのが好きで、わたしが船になったり、たまを飛行機にしたり、二人でシーソーになったりして遊んでいる。たま語のボキャブラリーもふえ、ときと場合に応じて違った音を発する。彼女なりに意味のあることを言っているのだろう。昨日ははじめてのドライアイスに興奮、あぶくと水煙を立てて踊る小さな氷山をのぞきこみ、「アチャ〜ンゲ〜ホエ〜」と話しかけていた。
「今月は誰を呼ぼうか」と悩む前に、3つ下の応援団のリーダー部員だったスギヤマ君から「たまちゃんの6/12才と先輩の誕生日と僕の誕生日を一緒に祝いましょう」と売り込みがあり、マンスリーゲストはすんなり決定。スギヤマ君・ナツコさん夫妻、チアリーダー部の大後輩でスギヤマ君の元同僚のカネコ嬢、カネコ嬢のさらに後輩でわたしの11代下のカナザワ嬢が祝いの品や泡立つお酒やケーキを持って集まってくれる。去年2月にわが家で顔を合わせたメンバーでもある。「あのときすでにたまちゃんがおなかにいたんですね」「でも、お酒飲んでましたね」「ちょっとだけね」。数センチの大きさだった胎児が外に出てきて、70センチサイズの服を着ている。petitcoquin(プチコキャン)でそろえてくれた誕生日プレゼントは、離乳食こぼしてもへっちゃらスタイ、ミルクにかけてホルスタイン模様の洒落がきいた哺乳瓶、オブジェとしても飾るもよしのポップなマラカス、写真に撮り忘れたけれどあひる柄とみつばち柄の紙ナプキン。さすが後輩、わたしの趣味をよくわかっている。マラカスを握らせると、たまはフライドチキンのごとくかぶりついた。
メニューは、これを出せば間違いなしなので恒例となった魚屋てっちゃんの刺身、ジャーマンポテト、鶏がらでだしを取った鳥鍋。たまはダンナとわたしに交替でだっこされ、ごきげん。「自分に関心が向いてないと面白くないのよね」と言うと、「応援団向きですね」とスギヤマ君。手足のたくましい動きを見て、「踊りそうですね」「将来はチアですか」とカネコ嬢とカナザワ嬢。声は大きく、笑顔もばっちり、素質は十分かも。応援団特有の伝統や美意識や上下関係は今の若者には面倒がられ、全国の応援団が団員不足や断絶の危機に瀕しているのだという。踊りたくてチアリーダー部に入っても、ビラ配りや立て看板制作やOBあての文書発送や夜ごとの宴会という応援団の行事につきあわされる。これをイベントとして楽しめるか拘束と感じるかで明暗が分かれるのだが、卒団まで生き抜いた団員たちは、四年かけて叩き込まれた「楽しいお酒の飲み方」や「目上の人との会話の続け方」や「一見無理なことも気合で何とかなる、どうせやらなきゃならないことは楽しんだ者が勝ち精神」が社会に出て何より役に立ったと口を揃える。「だけど、たまちゃんが大学生になる頃まで、ありますかねえ、応援団」とずいぶん先の心配をする元団員たちだった。


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02月24日(土)
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