ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
[1050905hit]
■ 親告罪 〜 crime of complaining 〜
┌─────────┐
│
│ adlib/20231129
│
│ http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20231129
│ http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
│ https://tx696ditjpdl.blog.fc2.com/?q=00000000
│
│ https://note.com/adlib20210301/all
│ https://booklog.jp/users/awalibrary/
│ https://q.hatena.ne.jp/adlib/
│
│ https://twilog.org/awalibrary
│ https://twitter.com/awalibrary
│ https://www.facebook.com/masatoshi.awa
│
└─────────┘
親告罪 〜 crime of complaining 〜
……「親告罪」(しんこくざい)という言葉を聞いたことはありますか?
著作権関連でも、2018年12月30日から施行された改正法によって一部
の著作権侵害の「非親告罪化」、つまりこれまで親告罪であった著作権
侵害行為の一部が親告罪ではなくなったことが話題になりました。
※すべての著作権侵害が非親告罪となったのではありません。未だ多く
は親告罪です。
また、SNSなどで「著作権侵害は親告罪だから、著作権者が何も言わな
ければ違法ではなく、問題ない」という意見もよく目にします。
このように、”著作権侵害”と”親告罪”には関連がありますので、
この記事で少し触れてみたいと思います。
そもそも親告罪とは?
親告罪とは、「告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪」
を意味します。
”犯罪”ですので、著作権以外に主に刑法において対象となる犯罪行為
が定められています。
他にも器物損壊罪(刑法261条)、名誉毀損罪(刑法230条)、過失傷
害罪(刑法209条)などが親告罪です。
といっても、よくわからない言葉ばかりかと思いますのでもう少し詳
しくみていきます。
(※正確性よりも一般的なわかりやすさを重視し、やや簡略化して表現
していることをご了承ください。)
まず、「告訴」とは、犯罪の被害者などが、警察などの捜査機関に対
して犯罪事実(犯罪に該当する客観的な事実)を申告して、犯人への処
罰を求めることをいいます。
この「犯人への処罰を求めること」は実はとても重要ですので、覚えて
おいてください。
そして「公訴」とは、検察官など捜査機関が、裁判所に対して、犯罪
の被疑者(いわゆる”容疑者”)を裁判(刑事裁判)にかけることを求
めることです。
公訴を提起することができない、ということであれば、検察は裁判所
に対して「この人(被疑者)を裁いてください」と求めることができな
い、という意味になります。
つまり、親告罪というのは、「犯罪の被害者などが、犯罪の被疑者に
対して処罰を与えることを求めない限り、処罰の有無やその内容を決め
る刑事裁判にかけることができない犯罪」と言えます。
権利者が黙認すれば違法では無くなるのか?
冒頭にも記しましたが、権利者が何も言ってこなければ違法ではない、
と考えている方もいるようです。
その根拠が、著作権侵害は親告罪であるから、というものです。
しかし、これは正しくありません。
親告罪というのは、犯罪の被害者、つまり著作権者が権利侵害を行っ
た被疑者に対して「著作権侵害に対する罰則を科すという処罰を求める」
場合にはじめて捜査が行われて、必要があれば刑事裁判にかけられると
いうものであって、著作権者が告訴しないから違法ではないというもの
ではありません。
違法かどうかは最終的には裁判所の判断となりますので、ここでは
「違法性あり」「違法疑い」のような表現のほうが適切かもしれません。
これは、著作権を侵害しており違法性があるが、著作権者が懲役刑や
罰金刑という処罰を求めていないだけ、という場合もあり得るというこ
とです。(※下図中央の赤丸の位置)
そして実際にこのような状態は非常に多いと感じています。
[5]続きを読む
11月29日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る