ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 最後の夜 〜 さらば、友よ 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20081208
承前。多羅夫くんは数年ぶり、多羅男くんと数ヶ月ぶりに酒を呑んだ。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20081207
蓼食わぬ虫 〜 ありやあらでものがたり 〜
1
約束どおり現われた多羅夫くんは、手ぶら(徒歩)だった。
与太郎の車で、琵琶湖畔のホテル紅葉館に直行し、ナイトクラブ風の
サロンで無駄話をする。ホステスは、うっとりと多羅夫くんを見ていた。
祇園にもどって、行きつけのクラブに入ると、彼の顔は割れていた。
つまり、その程度の店で顔が利くのは、かなりの遊び人だったのだ。
しかし、それはそれで、どこでどのように遊ぶかは聞かない。
看板(閉店)まで、しこたま騒いで、女どもを連れて出る。
そこで彼は云った。「ほなら、ぼくはこのへんで」
「どこぞに車を置いてんのか?」「いや、まぁ、おやすみ」
与太郎は女たちを自家用車に乗せて、深夜営業のレストランに向う。
電車通りの信号で停車すると、彼が向かい側の歩道を歩いている。
そこで女たちが、かいつまんで詮索するのを聞いた。
「ひとりで、どこ行くんやろ?」「そら、彼女の店やろさ」
「女(売春婦)でも買うのかな?」「いやらしな、男は」
聞こえないところで、女たちはこういう風に男を評しているらしい。
与太郎も、いささか意外だったが、武士は相身互いである。
女どもの勘繰りをたしなめるように、アクセルを吹かして去った。
深夜に、男の一人歩きは、よからぬ空想を呼ぶらしい。
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12月08日(月)
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