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与太郎文庫
by 与太郎
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■ タクシー・トラブラー 〜 運転手の土下座 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060622
かつて国際楽壇の帝王といわれたカラヤンが、タクシーに乗ったとき、
運転手が「どちらまで?」と聞いたところ「どこだって歓迎されるさ」
と答えた。カラヤン嫌いにとっては、虫唾のはしるジョークであろう。
誰もがタクシーに関する不愉快な経験を語ることができる。
酒場で話題に困ったら、人の話でもいいから思いだして語るとよい。
とくに若いホステスが、熱心に割りこんでくるから試してみよう。
運転手相手の武勇伝にも事欠かない。うそかまことか怪しいが。
「それで、最後は運転手がぺこぺこ謝ったから、許してやったのさ」
「まぁ、あなたって、ほんとうはやさしいのね」めでたしめでたし。
タクシーへの苦情は、あとで電話をしてみても気分が晴れない。
むかし与太郎が思いついたのは、タクシーを降りる間際に、ゴム製の
イモリを車体に貼りつける、というものだ。
あらかじめイモリは、タクシー内部に用意しておけばよい。
かくて問題タクシーは、運転手の見えない部分がイモリだらけになり、
つぎに乗ろうとする客には一目瞭然だ。
◇
一万円札を出したところ、運転手が迷惑そうだったので、不愉快だと
いう若者の投稿(はてな)を、与太郎がたしなめたところ、釣銭を用意
しないのは怠慢だという趣旨の反論がつづいた。
そこで、すべての客が一万円札を出したら、いかほどの釣銭が必要か、
という質問を立てたら、こんどは「質問のための質問は不愉快」と非難
された。どうやら、この問題には市民的合意が形成されていないらしい。
しかし、急ぎの用があるからタクシーに乗るので、釣銭ごときで時間
をとられるのは、双方つまらない。乗客が、乗る前にひとこと「釣りは
あるか?」と確かめればすむのではないか。
たとえば女づれでタクシーに乗って、降りるときに高額紙幣を出す。
運転手が無愛想に「お客さん、細かいのありませんか」と云う。
「きみの態度はなんだ、釣銭ぐらい用意するのは当然だろ」と云うのか。
すると運転手も「先のお客さんも、600円の料金で一万円出された
んだよ」とこぼす。女づれの客は、引くに引けないので強気に出る。
「なんだこの野郎、金を貰うのに文句あっか!」
ここで女が「あたし持ってるわ」とハンドバッグから千円札を出せば
一件落着するが、男が男だから女も女である。知らんぷりするのだろう。
運転手が折れて「こんど、同僚の運転手に会ったら渡してください」
同じ会社のタクシーを見つけたら「ことづけてください」という。
まさか「もういちど一万円出して釣りを返せ」とは云わないだろう。
ところが、これが妙にこじれることもあるらしい。
◇
どんな事情にせよ、客から金を受けとれないのは運転手の責任だ。
わずかな料金でも、遊客の気まぐれで、自腹を切るのはシャクだろう。
給料日が近づくと、もらった名刺に電話してみる。
「もしもし、いつぞやのタクシー料金を払ってもらえませんか?」
「きみの会社の車を探したが、なかなか会わないので、忘れていたよ」
「銀行振込みでもいいので、いま会社の担当者と代ります」
「もしもし、経理の担当です。口座番号を申しあげますので、よろしく」
「わかったよ、それで振込手数料は、差っぴいていいんだろうね」
「お客さま、それは困ります」(未完)
◆ 時系列
19120810 東京タクシー会社が初めてタクシー営業を開始する
19691224 東京タクシー近代化センター設立
198.0113「今日もタクシーでいいよ」と 君が言ったから一月十三日は
タクシー記念日。
199.0805 東京タクシーは、タクシー記念日にちなみ、8/5のプロ野球
の試合で出るホームランの数×現金1万円を抽選で10名にプレゼント!
20060621 22:46:24 はてな質問:yoshizo0807
20060622 01: 土下座事件発生
20060622 07:14:24 はてなコメント:adlib
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06月22日(木)
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