ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 沈黙の夏 〜 新聞部長のポスト 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19540804
Ex libris Web Library;Let'19540803 from Tateishi, Yoshio
>>
…… 暑中御見舞申上げます。
拝啓
酷暑の折柄御機嫌好く御過しの事と拝察申上げます。私も無事消光い
たしております故、御安心下さい。先ずは御見舞まで……。
そおそう帰りのバスの中で歌って声は出なくなったのはもうなおりま
したか!!
“我等は主の子供等よ 御業はげみ進み行く・・・・”
昭和二十九年盛夏
>
…… 前略、おたより拝見致しました。暑中見舞状を出そうと思いつヽ、
キャンプの三期にのこって居られるのだから、もっと後でも良いだろう
等と勝手な考え方をして失礼致しておりました。
今年のキャンプ生活は、これまでになかった深い、何か言葉では云い
表わす事の出来ないものを与えてくれました。二期間生活された阿波さ
んにとっては、一層意義深いキャンプだったろうと思っております。
さて、お手紙の件ですが、むづかしい問題だと思います。私には批判
なんて出来ませんが、今、私が考えているまヽを少し書いてみたいと思
います。
あのお手紙を見て最初に感じた事は“ずいぶん変られたなあ”と云う
事であり、次に感じたのは“阿波さん、考え方の進歩をされた”と云う
ことです。でも今思っているのは“進歩は進歩だけど、ずい分ずるい進
歩だ”と云う考えです。
もちろん、貴方は貴方が最も正しいゆき方だとお考えになる方法をと
られるのが最善だと思いますが、私のまずい意見(でも私は、これが正
しいと思うのです)も一応お聞き下されば幸でございます。
生意気だとおっしゃるかも知れませんが、私には貴方のお手紙の始め
のところにあった“生徒の層に与える影響を考えてみて、それが果して
私達の思っている方向にゆくかどうか自信がなくなった”と云うのが本
当のところで、その後のはそれについての弁明に過ぎない様にも思える
のです。無論、後に書いてあった色々の考えは間違いではないと思いま
した。しかし、見方によっては、やはり自分自身が可愛いので良い子で
居りたい為に自分一人で勝手な理くつを作ってこの事をやめたいと云う
風にもとれます。
いたずらに教頭をつるし上げた記事を書いても、反って反感をかわれ
るだけだと思いますが、貴方が教頭のとった態度を正しいと思わないの
なら、どうしてもっと別な(おだやかな)方法でヾも教頭の非を認めさ
す様にしないのですか。
私は、私の意見をのべますが、これをおしつけよう等とは毛頭考えて
おりません。たヾお聞き下さって、御批判願えば結構なのです。
どうぞ、そのおつもりでお読み下さい。
貴方が久保先生の意見に賛成なら、それで良いと思います。が、反対
していながら煮え切らない態度を取る等とは男らしくないじゃありませ
んか!
キャンプで本宮先生達がこの様な意見を述べられたのですか?
もちろん、このことよりも生徒の自覚をうながす方が大切だと私も思
います。しかしその為にこの問題をうやむやに終らせる必要はないと思
うのです。私の考え方は、前に出した原稿のとおりで、趣旨は結構だし、
私も賛成だが方法には反対する(点数のことをやめた方が良い)と云う
のです。今も変っておりません。だから、もし新聞部でこの問題をその
まヽにされる様でしたら個人的に教頭の意見を聞きにゆきたいとも思っ
ております。 でも個人的にはそう云うことは出来ても新聞部、生徒の
代表となって行われるとなると本当に大変な事だ、色々と気もつかわれ
るだろうし、むづかしい事だと思います。新聞部にそう云う事を望む方
が間違いかも知れません。
実は、私は、一学期中にこの新聞を出すのならともかく、夏休みを中
にはさんで二学期に出すとなると皆の関心も淡らいで来て、あまり効果
が上がらないのじゃないか、又、先生方は、それを望んでにぎりつぶし
にされないだろうかと心配だったのです。鉄は熱い中に打てと申します
から。先には色々な事を書きましたが二学期に入ってからだったら
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08月04日(水)
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