ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
[1069394hit]

■ 幻の《弦楽技法》 〜 未投函書簡より 〜
 たとえば、弦楽四重奏の第二ヴァイオリン奏者に対して「すでに第一
ヴァイオリンが歌いおわった旋律を、つねに繰りかえすのは退屈ではあ
りませんか」などと質問しています。「そんなことはありません、同じ
旋律を奏することは、反復ではないのです」と答えているのは、若き日
のシュナイダーハンというわけです。
 岩波西洋人名辞典によれば、カール・フレッシュに同名の技法書があ
り、岩渕竜太郎氏も(対談では)同意されたが、内容からみて、著者は
別人のアマチュア演奏家でなければなりません。
 故人の奏法についても、興味ある伝説が紹介されています。ヨアヒム
は、ベートーヴェンが《ヴァイオリン協奏曲》第一楽章、カデンツァの
直後“第二主題”に指定したドルチェ(甘く)を、まるで無視するかの
ごとく、ヴィブラートなしで奏した、というのです。
 本来、カデンツァは演奏者の即興によるものですが、現代の楽譜では
(ほとんど)ヨアヒムのものを印刷しています。すなわち、ヨアヒムの
カデンツァは決定版であり、かつまた究極の名演奏であったとされるの
に、何故ノン・ヴィブラートなのか?
 私の旧稿《弓弦十話19701029》では、本文の記憶をもとに“力つきた
英雄が虚しく回想に心をゆだねるシーン”の象徴的表現と要約していま
すが、どのレコードを聴いてもノン・ヴィブラートの実例に遭遇しない
ことから、いわば幻の演奏伝説が実在していたのでしょう。(未完)
(Let'19950506ca 双竜外伝について)
 
■Mail'20030115 (水) Casablanca ?
 
 何かご存じなら教えてほしい
 
 風邪を引いて元気がないのですが、前に買っていたDVD“カサブラ
ンカ”を今日は見ました。昔見たので懐かしくて買っておいたのですが、
内容はすっかり忘れていたので、新鮮な感動を受けました。やはり名画
ですね。その中でドイツの将校たちがリックの酒場で歌う歌が歌詞は分
からないのですが曲は同志社カレッジソングの曲ですね。地下組織の指
導者ラザロがこれに対してフランス国歌を歌い、酒場の人達がこれに和
してドイツの将校の歌うのを圧倒してしまいます。カレッジソングでは
Carl Wilhelm作曲ということになっています。さて、この曲は本来どう
いう由来を持っているのでしょう。
 何か知っておられることがあれば教えてください。早々。
from:谷本岩夫
 
■Mail'20030115 (水) 電話のあとで 22:00 > 20:07
 
 まずは《皇帝賛歌》のこと
 
── この曲は、たぶんハイドンの作になるオーストリア国歌の変奏曲
のために、彼の弦楽四重奏曲の代表作のように知られ親しまれているが、
ガイリンガーは、「驚くほど霊感にとぼしい四重奏曲で、彼の後期作品
の系列に位置づけることがほとんどできない」と極言している。
── 大宮 真琴《名曲解説全集 8 19591110 音楽之友社》P086
 
 古楽器による現代的演奏(NHK芸術劇場)を聴くと、初演時のサウ
ンドは、当時としては前衛的ではなかったか。
 
── 《皇帝賛歌》の歌詞、一番は「外国を刺激する」、二番は「意味
がない」ので、三番だけが“ドイツ国歌”として歌われている。
── 《朝まで生テレビ 19990327 テレビ朝日》
 
■Mail'20030115 (水) Casablanca !
 
 映画「カサブランカ」で「One purpose」が歌われている?!
 
 「映画『カサブランカ』の中で、カフェで独軍が歌う『ラインの守り』
のメロディーが、なぜ同志社のカレッジソングと同じなのでしょうか」
というご質問を、渡辺峻さん('72年商・院修了)からいただきました。
実は第3号で同様のお問い合わせにお答えしているのですが、改めて簡
単にご説明します。
 同志社カレッジソングの作詞者は近江兄弟社の創設者W.M.Voriesで、
旋律は Carl Wilhelm 作曲「Die Wacht am Rhein(ラインの守り)」を
借用しています。この元歌の歌詞がドイツで書かれたのはライン川を挟
んでフランスの脅威が増してきた1840年で、1854年に曲が作ら

[5]続きを読む

01月15日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る