ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 君が代訴訟(3)
朴実    「他には退席した者はいませんでした」
原告ら代理人「向島南小学校のほうですが、この時は予めのプログラム
      に『君が代』のことは触れてなかったんですね」
朴実    「はい。前の日に、即ち三月二三日が小学校の卒業式なん
      ですが、二二日の夜に、日曜日だったか、祭日だったか、
      学校が休みの日でしたけど、夜八時ぐらいに校長先生が来
      てほしいと言われて行って、プログラム見たら、その時に
      は書いてなかったです」
原告ら代理人「式の当日、配られたプログラムには、突如として、国歌
      斉唱…」
朴実    「国歌演奏ということが二番目に」
原告ら代理人「ということが現れたわけですか」
朴実    「はい」
原告ら代理人「ということは、予め生徒の皆さんにも、教師の皆さんに
      も、それから保護者の皆さんにも知らせてなかったという
      ことですね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「今さっき、小学校の先生が前の日に電話してきたと言い
      ましたね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「その趣旨はどういうことだったんですか」
朴実    「『君が代』をどうしてもやらないといけないけれどもだ
      めですか、という言い方で言ってこられました」
裁判長   「あなたが『君が代』のことで、特に最後に裁判所に訴え
      たいというか、話したいことがありましたら言ってほしい
      んですが」
朴実    「…まあ、先ほども言いましたように、私たち朝鮮民族に
      とって、私たち民族の不幸は、天皇の名によって行なわれ
      た民族抹殺政策、皇民化政策、それによるものと思います。
      そして、戦後、私たちの民族が解放されて以降の、戦前の
      その状況を引きずって、差別が今もなお根強く残っていま
      す。その清算も未だにきちっとされていません。そして私
      たち在日朝鮮人の子供の八割以上が日本の学校に在籍して
      います。このような歴史と現実の中で、私たちにとって
      『君が代』というのはとても受け入れられないものです。?
      『君が代』が好きでそれを受け入れる人もいるでしょうけ
      れども、それをやられると、私、あるいは私の子供たちの
      ように、非常に傷つく者がいるということ、そういう中で、
      そういうものを一律に押し付けたり、強制はしてほしくな
      い、特にそれは非常に子供たちに深い傷として残っている
      ので、そのことは教育委員会の人たちも知ってほしいと思
      います」
原告ら代理人「あなたのお子さんの卒業式、何回かあったんですが、結
      果として学校行事で『君が代』が強制されたわけですね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「それがあなたやお子さんに、どんような問題を残しまし
      たか」
朴実    「陳述書にも書きましたように、八七年に『君が代』が流
      された時に、子供たちと私は、泣いてそこから退席しまし
      た。それから戻ってきた時も、子供たちは肩を震わせて泣
      いていました。そして、それはずっと子供の心に深い傷と
      して残っています。次の年、娘は作文にもそのことを書き
      ました。あんな惨めな思いをするのはもう嫌であると。そ
      して友達と一緒に地域の中学に行くはずだったのが、突然、
      韓国中学にいきたいと娘は言いました。私はできることな
      ら、地域の学校で、日本の子供たちと一緒に、朴さん、朴
      さんと呼ばれて、一緒に行ってほしかったんですけれども、
      子供は、もう、あんな惨めな思いをするのは嫌だと言いま
      した」
原告ら代理人「あなたの目から見られて、教育現場にどのような問題を
      残したとお考えですか」

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04月27日(土)
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