ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 君が代訴訟(1)
      くわかるんですが、具体的にここで何かおっしゃりたいこ
      とがありますでしょうか」
朴実    「……言い出すと、たくさんになりますけれども、まあ、
      陳述書にも書いてありますけれども、まあ、教育を受ける
      権利、民族教育は受けられなかったし、就職、それから住
      宅、結婚問題、あらゆるところでいろんな民族差別を受け
      てきました」
原告ら代理人「そういう中から朝鮮人であるということを隠す傾向があ
      りますね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「それは通名を使うこともそうでしょうか」
朴実    「はい、そうです」
原告ら代理人「帰化もそういう傾向の現れでしょうか」
朴実    「私の場合は小さい時から、そういう環境で育ち、私は兄
      弟の中で下のほうでして上の兄弟を見て、非常に差別を受
      けてきたので、小さい時から帰化をして、日本人になりた
      いと思っていました。そういうことが、帰化をしていくこ
      との根底にあります」
原告ら代理人「そして、あなたも帰化されたわけですね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「それは何年でしたっけ」
朴実    「七〇年四月に申請して、七一年の四月に許可がおりまし
      た」
原告ら代理人「確か、陳述書によりますと、日本人である奥さんとの結
      婚問題を契機にして、帰化申請されたということですね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「それはあなたが真に望んだことでしょうか」
朴実    「いろいろ迷いましたけれども、今の妻ですけれども、そ
      の時、まだ結婚していなかった妻の実家の両親が非常に反
      対をし、妻の母親が自殺未遂事件を起こしたりしまして、
      そして妻の父親から帰化をしてほしいと勧められまして、
      それでもちゅうちょしていたんですけれども、法務省に申
      請に行きました」
原告ら代理人「確か、あなたはクリスチャンですね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「奥さんもクリスチャンですね」
原告ら代理人「お子さんが大きくなって、学校での取扱いはどうでした
      か」
朴実    「……子供は三人いるんですけれども、学校は住民票など
      提出するので、住民票では戸籍名、日本名しか出てこない
      ので、最初は日本名の新井で通わせました」
原告ら代理人「その朴という本名ですね。元々のお名前を使ったことに
      ついてはどうでしょうか。反応ですが」
朴実    「…私ですか」
原告ら代理人「周り、特に学校、あるいは日常生活の中での近隣の反応
      をお聞かせいただいたらと思いますが」
朴実    「それで、上の子が四年生、下の子が一年生の時に、子供
      たちも本名の朴で学校に行き出しました。そうすると、最
      初は珍しいので、周りの子供たちも朴と使うと、この子が
      朝鮮の子であるというのがわかって、しょっちゅう家へ来
      て、韓国のこと、朝鮮のことを教えてほしいとか、そうい
      うふうにやって来ました」
原告ら代理人「差し障りは別になかったわけですね。むしろ逆でしょう
      か」
朴実    「ただ、けんかをして、いじめられたり、名前のことでか
      らかわれたりしたマイナスもありましたけれども、学校や
      地域社会では、皆が朴さん、朴さんと言って、私たちを朝
      鮮人として尊重してもらえるようになりました」
原告ら代理人「かえってよかったということですね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「そういう通称名という形で使って来られて、氏の変更手
      続をされましたね」
朴実    「はい」
原告ら代理人「これは一回で認められたんでしょうか」
朴実    「いえ、最初八四年の四月に京都家裁で申立てたんですれ

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04月25日(木)
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