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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 三太郎物語 〜 三浦家の人々 〜
の小説にたいする考え方、その成果を支える確信の質を、かなりよく暗
示していた気がしてならない。
 もちろん、その言葉に僕はびっくりし、当時の僕なりの反撥もかんじ
た。だが、期日ぴったりに届けられた作品を読んで、僕はあらためて曽
野さんの文才に感嘆し、ほとんど呆れかえった。なにもいう気になれな
かった。それほどその才能はあらゆる計算を越え、ブリリアントにそれ
をカヴァして、どこにもその計算の計算としての欠点を見せていないの
だった。この作品が、『遠来の客たち』である。僕が本当に曽野さんの
すぐれた才能を信じたのは、じつはこのときからかもしれない、といま
になって僕は思う。
 はじめこの原稿の表紙には、『一九四七年貢』というもう一つの題名
のプランも書かれていた。相談をうけ、僕は『遠来の客たち』を選んだ。
すると、しばらく首をかしげ惜しそうな表情をうかべてから、曽野さん
はふいに決然とペンを握り、手に力をこめて『一九四七年夏』の文字の
上に線を引いた。(作家)
── 山川 方夫《『遠来の客たち』の頃 196312‥ 新日本文学全集月報23 集英社》

 
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(20090131)
 

01月23日(日)
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