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Kenの日記
by Ken
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■TPP交渉は進展?
21日未明まで行われた環太平洋連携協定(TPP)交渉は結局妥結できませんでした。今回は安倍首相の訪米を控えて交渉責任者(甘利TPP担当相とフロマンUSTR代表)どうしの折衝が行われましたが、おおかたの予想通り妥結には至りませんでした。日本政府の発表では今回の交渉で「二国間の距離は狭まってきた」とされています。しかしポイントの「日本のコメ市場の開放」「アメリカの自動車部品関税」問題における主張の違いは大きくで決着を先送りしました。

この日米TPP交渉で気になっているのは、交渉に先立って日本政府から発せられる「今回こそ決着」という事前の楽観的な観測情報です。昨年末の「年内妥結観測」もそうでしたが、いつも節目節目のトップ交渉で、嘗ての「大本営発表」のように「今度こそ成果があがる」というような情報がながされます。しかし「妥結できなかった」という事実から日本政府には「交渉に向けての非現実的な希望」があるように思えます。

それは、「自分達は妥協できる幅は少ないけれど、これまで粘り強く交渉してきたのでアメリカがそろそろ譲歩するだろう。アメリカが譲歩すれば今回こそ妥結可能だ」というものです。日本側に妥協する気持ちがあるのであればとうの昔に妥結しているはずです。米国も日本と同じように考えて交渉しているのであれば、この交渉妥結にはまだまだ時間がかかりそうです。コメ市場開放問題でいうと、日本側が5万トン程度の特別枠を設ける妥協案を検討したようですが、米国側には20万トンの要求を変更する余地はないようです。

果たしてどのような決着に向かうのか。時間とコストがかかりますが70数年前のように「戦争」になるよりはずっと「まし」です。それにしても世界の先進国どうしの貿易交渉で「関税障壁の撤廃」ができないとは情けない話ではあります。
04月22日(水)
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