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Kenの日記
by Ken
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■杉山茂丸「百魔」
杉山茂丸の「百魔」(正・続別冊)をさいたま市立図書館で購入依頼していたところ、メールで本が届いた旨の連絡がありました。借りていたCD・本の返却ついでに図書館に入って見た所、さいたま市立図書館で購入したのではなく、所沢市立図書館の蔵書を借用してきたものが届いたのでした。正・続2冊でそれぞれ大部なのですが、まず「正」を借りてきました。

この「百魔」と言う本は怪人「杉山茂丸」が明治・大正期の人物評伝です。その内容に関しては読んだ人しか分からない圧倒的な感銘を受けるものです。最初に取り上げられている人物が杉山と同郷の「頭山満」であることからこの本が尋常ではない内容を含むことが想像できます。

これまで「百魔」は最初大正15年5月に講談社(当時は大日本雄辯会)から出版され、昭和63年に講談社学術文庫から上下ニ冊に分割されて文庫化されました。この文庫版は現在でも入手可能です。この文庫版で原書から幾つかの勝手な変更がなされているということで批判されていたものです。私はこの文庫版を借りてきて読みました。その後2006年に「書肆心水」から正続一体で861ページ・価格8500円という本格的な単行本が刊行されましたが、あまりに大部のため敬遠されていたものです。そして今年1月同じ「書肆心水」から「正・続」分割版が出版されました。漸く読むのに手頃な大きさの本が出版されたので、「買って欲しい」というお願いをしていたのでした。

届いた単行本「百魔(正)」活字はそれほど大きくないものの非常に読み安く、活字が非常に小さくしかも印刷状態の悪い文庫本とは比較になりません。そして杉山がかなり難しい漢字を使い、当て字なども多用しているところにひらがなで「ルビ」が振ってることはありがたいです。私とすれば「さいたま市立図書館」でもぜひ買い揃えて欲しい本ではあります。
04月18日(土)
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