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Kenの日記
by Ken
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■アジアインフラ投資銀行
中国が設立を主導している「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」創立メンバーの参加申し込みが3月末で締め切られました。最終的な参加国は50か国以上と報道されていますが、実際に申し込まれたのは35か国で、現段階で申し込み申し込み中の国・地域が23か国以上あるようです。西側先進国もアメリカ・日本を除いて参加の意向を示しています。日本はアメリカに追随して創立メンバーへの参加を見送るようです。

現在、この種の公的な国際金融機関には「世界銀行、IMF、アジア開発銀行」があります。世界銀行は本拠がアメリカにありアメリカ人がトップを占める慣行です。ADBはマニラに本店がありますがトップは日本人が就く慣行です。「IMF(国際通貨基金)」には欧州出身のトップ(専務理事)に就く不文律があります。米・欧・日本が主導する3組織は基本的に西側先進国の価値観をベースにして運営されています。

「IMF、世界銀行(世銀)、アジア開発銀行(ADB)」があるのに「AIIB」を作る理由はある程度明らかです。これまでの西側主導の国際金融に対して発展途上国からは不満がありました。発展途上国の通過は常にドルに対してインフレ気味になる環境がありました。外貨借金の返済には大変苦労するのです。そうした環境を知っている中国が経済力を背景に自らが主導する国際金融秩序を確立しようとしているのだと思います。

スリランカに住んでいるときには現地で世銀・IMF・アジア開銀に対する不満をしばしば耳にしました。端的に言うと債務を負った国は西側先進国の「モノサシ」で内政が干渉されるのです。様々な指標でモニターされ、望ましい方向に進んでいないと厳しく勧告されます。一方で自力で「テイクオフ」することは非常に難しいのも現状です。中国の経済発展が殆ど自力ここまで来たことは非常に珍しい例です。政治体制は横に置き、中国が自らの経済発展の経験を発展途上国に伝授し、更にはアメリカに代わる巨大輸入国となって周辺国からどんどん輸入するとすれば十分に機能すると思われます。

中国国内の不正・腐敗が酷いことから、中国の「AIIB組織運営が不透明」という指摘がなされますが、世銀・ADBの資金が発展途上国の独裁者にピンハネされたり、貸した資金で作られたインフラが使われなくて無駄になったりした例は沢山あると思います。ここは中国の提案に世界がこぞって賛成し、中国のお手並みを見ることがベターだと思われます。
04月07日(火)
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