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Kenの日記
by Ken
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■終戦70年首相談話
「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会(21世紀構想懇談会)」が設置されました。この懇談会は終戦70周年の節目として今年の夏に発表される阿倍首相の談話に材料を提供するための懇談会だということです。終戦節目の談話は50周年の「村山首相」、60周年の「小泉首相」に引き続くものです。村山首相は人柄もあってか非常に率直なお詫びの言葉を盛り込み、最後に「「杖るは信に如くは莫し」と政治信念を引用して結びました。

村山談話においては将来の日本の進むべき方向性として「深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。」という思いを盛り込んでいました。

この部分については当時と現代に相当の状況変化が起きていると思います。「富める国・貧困にあえぐ国」の格差の問題とか、そうしたことを背景とする過激派組織(テロ組織)の問題等これまでに無かった難しい問題が表面化していて、日本が貢献できる分野が変化し範囲も拡大してきているように思えます。こうした状況変化に対する対応策については独善的にならない範囲で言葉を補えばいいのではないかと思えます。

阿倍首相にもしっかりと「お詫び」の言葉を盛り込んで欲しいと思います。そして二度と「道」を踏み誤らないよう、謙虚に歴史を振り返って、日本の誤りの原因は何処に有って、その「原因」は今どのように克服されているのか、それが再び再燃することを防ぐためには日本がどういうことに気を付けなければならないか、ということをしっかり考えて表明することが大切なことだと思います。

今年1月に行われたアウシュビッツホロコースト追悼セレモニーで「過去あったことは将来起こらない保証はない。ホロコーストの関する歴史をしっかり将来に語り継がなければならない」と当時を知る人が次第に少なくなってきていることに対して警鐘がならされました。皇太子様が誕生日記者会見で述べられたように「歴史を正しく語り継ぐ」ことは非常に重要になってきていると思います。

日本国内では「20世紀に日本はなぜあのような「道」を辿ってしまったのか」ということについて現在でも議論が分かれていることは困ったことです。何時かの時点に後戻りできなくなった分岐点があったのか無かったのか、「20世紀の日本の振る舞い」は「19世紀の明治政府(安倍首相の故郷の人達が国の方向性を決めたのですが)」に原因があったのではないかという視点もあります。ここを曖昧にしている限り「誤りの芽」を事前に摘むことは難しくなると思います。
02月26日(木)
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