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Kenの日記
by Ken
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■アメリカ・ミズーリ州・ファーガスンの事件
今年8月9日アメリカ・ミズーリ州・ファーガスンで黒人少年に対する警官の発砲事件が発生し黒人少年は死亡しました。この事件で黒人少年を撃った警官の「Darren Eilson」氏に対して、ミズーリ州大陪審は11月25日に起訴を見送ることを決定しました。この決定に対してファーガスン市民の反発は起りファーガスン市では大規模な抗議行動(パトカー破壊・商店略奪などを含む)が行われたほか、全米各地で大きな不満が表明されています。この事件がどんなものであったのか、関係者の証言等で追ってみました。
この日(8月9日)警官の「ダレン・ウィルソン」は早朝6時30分からのシフト勤務についていた。その半分が過ぎようとしていた昼の12時にこの出来事が始まった。駐車していたパトカーの中から「ウィルソン」は盗難届の出されていた「葉巻」を手にしている「マイケル・ブラウン(Micheal Brown)」が少し小さい友人と二人で道の中央を歩いていることに気がついた。「ウィルソン」の「ブラウン」に対する第一印象は非常に「デカい」男だということであった。
最初「ウィルソン」は車の中から「ブラウン」に職務質問しようと声を掛けた。しかし身体のデカい若者は逆に「ウィルソン」を罵り「ウィルソン」に向かってパンチを浴びせかけてきた。ブラウンのパンチを顔面に2発受けたウィルソンは3発目を食らうとひどいことになりそうだと怖くなった。この時車には「スタンガン」は積まれておらず、「ウイルソン」は警棒や発煙筒を使おうかと思ったが役に立たないだろうと考えた。そのため「ウィルソン」は拳銃を取り出し、「下がれ、さもないと撃つぞ」と「ブラウン」に警告した。しかし「ブラウン」が拳銃を掴みそれをひねってウイルソンの腰あたりまで押し込めてきた。そして「ウィルソン」に向かって「お前なんかに打たれてたまるか」と声を荒げて罵ってきた。(ウィルソンの証言)
このため「ウィルソン」は車内から一発発砲した。「ブラウン」は一旦後ろに下がったものの再び飛びかかってきた。「ウィルソン」が再度発砲すると「ブラウン」は走って逃げ去ろうとした。「ウィルソン」はパトカーから降りて「ブラウン」を追いかけ始めた。通りを横切った「ブラウン」はそこで止まり「ウィルソン」の方を振り向いた。「ウィルソン」は「ブラウン」に向かって「地面に手を着いてしゃがめ」と叫んだが、「ブラウン」は言うとおりにしなかった。素早く警戒の姿勢を取った「ウィルソン」は何発か発砲を行った。「ウィルソン」は「ブラウンが私に掴み掛れば彼に殺されるかもしれないと考えた」と証言したとのこと。撃たれた「ブラウン」はうつ伏せに倒れた。「ウィルソン」は「ブラウン」が死んだことを理解していたと言う。数分後警察の応援が駆け付け、巡査長がウイルソンに何があったのか尋ねたところ、ウイルソンは「私は彼を射殺しるしか方法がなかった」と答えたと言う。これがウィルソン警官の証言かから辿った事件の概要です。
これに対し「ブラウン」と一緒に歩いていた黒人少年の「ドリアン・ジョンソン(Dorian Johnson)」は次のように証言しているそうです。「警官が一発発砲したのでブラウンと私は道の向こうまで走って逃げた。背後から一発銃弾を受けた「ブラウン」は逃げるのを止め、警官の「ウィルソン」を振り返って両手を空中に挙げた。しかし「ウィルソンはそのブラウンめがけて数発拳銃を発砲した。更に「ブラウン」の遺体を検視した医師は「右腕・右手・右側頭部に数発の銃創があり、右手の銃創は手を空中に挙げている際に打たれたものと考えられる」との見解を示している。
「ブラウン少年」はひょっとして両手を上げてブラウン警官に抵抗の意思のないことを示したのかもしれません。しかし「ウィルソン警官」の指示は「両手を地面についてしゃがめ」というもののようでした。「ウィルソン警官」の声が十分大きく「ブラウン」に聞こえていたとすると、警官の指示に従わなかった「ブラウン」は更に抵抗しようとしていると思われても仕方が無いかもしれません。現在のアメリカでは警官のこのような行動は「訴追」の対象にならないということが非常に大きな課題を抱えていることを示していると思います。
11月25日(火)
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