ID:85567
Kenの日記
by Ken
[99138hit]
■ナイジェリア「エボラ出血熱収束宣言」
ナイジェリアでは新たなエボラ出血熱感染患者が42日間発生していないことから「エボラ出血熱終息宣言」が出されました。西アフリカのギニア・リベリア・シェラレオネの3国では伝染病との猛烈な闘いが繰り広げられているものの、それ以外の国々で病気の発生が抑えられてきているというニュースは明るいものだと思います。世界各国の支援は勢いを増してこの3国に集中されていきます。
ナイジャリアにおいて病気の拡大が封じ込められた背景には一人の「女医」の行動があり、エボラ出血熱に感染して亡くなったこの女医を讃える声がナイジェリアで広がっているそうです。この女医の名前は「アダデヴォ医師」と言いナイジャリア国内において最初にエボラ出血熱で亡くなった患者の治療にあたったチームのリーダでした。
この患者はリベリア人弁護士の「パトリック・ソイヤーさん」でした。パトリックさんはアメリカにも自宅がありそこに住む娘さんの誕生日のためアメリカに帰る途中、会議出席のためにナイジェリアの首都ラゴスに寄ったのだそうです。そしてナイジェリアに入国した時にエボラ出血熱の症状が出ていたのだそうです。パトリックさんは姉妹の一人をエボラ出血熱で失っていて、現代医学ではエボラ出血熱を治癒することが難しいと考え、ナイジャリアの病院での治療を拒否し、「奇跡」頼んで教会にいくことを激しく主張したのだそうです。そのパトリックを病院に留め置いたのが「アダデヴォ医師」でした。
ナイジェリア駐在のリベリア大使も「本人に意思に反して病院に留め置くことは人権侵害に該当する」と非難して、パトリック氏を退院させるよう圧力をかけたのだそうです。しかし「アダデヴォ医師」は敢然とソイヤー氏を病院に留め置いたのだそうです。ソイヤー氏はエボラ出血熱で亡くなりますが、治療にあたったアダデヴォ医師と11人のスタッフもエボラ出血熱に感染しアダデヴォ医師は亡くなったのだそうです。
この時ソイヤー氏を病院から出していたらナイジャリア国内では二次感染が更に広がっていたはずです。アメリカの娘さんに会いにでも行ったら、アメリカに別なエボラ出血熱患者が渡っていたことになります。「患者の人権」は難しい問題ですが「アダデヴォ医師」の厳正な態度が、伝染病の封じ込めに役立ったことは確かだと思います。
別の話題ですが、アメリカは4000人規模のアメリカ軍を西アフリカに派遣することを決定し、その一部は既にリベリアに到着し病院設備の建設等にあたっているという報道がありました。オバマ大統領はシリア・イラクでの「ISIS]に対する地上戦には逡巡したものの、エボラ出血熱対策においては世界に先駆けて大規模な救援作戦を開始しました。こういう時のアメリカ軍は非常に頼もしく、他の国々では到底まねできないものがあります。
10月21日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る