ID:85567
Kenの日記
by Ken
[99140hit]

■株暴落、不安増大
今日の東京証券取引所の株式相場は300円以上の大幅下落でした。日本の株式市場はアメリカの株価、ドル金利に連動する円相場に敏感に反応しますが、「アメリカの株価下落・ドル安」を正直に反映して予想通りの下落でした。ネットではこれまで世界景気を牽引してきた「アメリカ経済」に対する不安の声が大きくなっています。とは言ってもアメリカ経済を原因とするものではなく、今回の不安は「ISIS」「エボラ出血熱」の二つの社会不安によって引き起こされていると思います。これらの二つの社会不安は実に複雑にアメリカ社会と絡んでいるので厄介です。

「ISIS」に対してアメリカのシリア拠点空爆、その他の連合軍のイラク国内拠点空爆が行われてきましたが、「ISIS」の勢いは止まらず、イラクの首都バクダットにじりじりと近づいています。アメリカは地上軍の派遣に大変慎重ですが、頼りにしていた「イラク軍」があまりに弱体であるために「ISIS]の侵攻は止められないのです。この地上軍の「強さの差」は当たり前に思えます。

「イラク軍」は緊急寄せ集め部隊で、アメリカがフセインを追い出して混乱させてしまった「祖国」を防衛することを強いられています。「ISIS」軍は欧米の既存社会から脱落し、家族をも捨てた「命知らず軍団」で、「イスラム教」に入信し戦闘で死んだら天国へ行くことがきると信じて闘う集団です。この二つの集団が戦ったら勝負の行方は明らかでしょう。アメリカはクルド系住民救援の名目がある「トルコ」を地上戦に引き込みたいのですが、トルコも非常に危険な「ISIS」との戦いには躊躇しているのが現状です。つまり非常に破壊力のある「ISIS地上部隊」を封じ込めることができないのです。

これと似ている状況ですが、世界は致死率の非常に高い「エボラ出血熱」の流行の封じ込めに成功するか、失敗するかの瀬戸際に来ています。「リベリア」はアメリカ大陸に連れてこられた黒人奴隷がアフリカに戻って建国された国です。建国当初はアメリカは相当リベリアの国家建設に関わっていました。しかしリベリア国内の民族対立等で政権が安定せず、革命も勃発したのでアメリカはさっさと手を引いてしまったのでした。その結果として国内秩序は乱れて、国は発展するどころか貧困が進んでしまったのでした。そうした社会での「エボラ出血熱」の発生なのです。

こういう歴史がありますから、リベリア国民の中にはアメリカに親戚いる人もいるでしょうし、アメリカのボランティア団体はリベリア救援に向かうことに躊躇しません。しかしこの救援作業はきわめて慎重に行わないと、アメリカ人の犠牲者を出しますし、二次感染が背渦中に広がる惧れがあるのです。

アメリカはこの際「ウクライナ問題」でプーチンと争っている余裕はありません。そしてヨーロッパ諸国も日本も韓国も中国もまずこの危機に対処しなければならない時がきていると思います。安倍首相はオバマ大統領と緊密に連絡し共同歩調を取っていますが、更に踏み込む必要があるのではないかと思います。それは東日本大震災の際に世界から寄せられた救援への「お返し」でもあります。今こそ「軍事力」ではなく日本の「科学技術力・人間力」を結集して世界に貢献する時だと思います。
10月16日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る