ID:85567
Kenの日記
by Ken
[99144hit]

■ナポリ2日目:歴史地区散策
「ホテルの朝食・キアイア通り散策」
キアヤ・シャルメ・ホテルでの朝食は簡素なものでした。ジュース・パン・ヨーグルト・フルーツサラダ・コーヒー等が準備されています。イタリアの朝食では肉類とかソーセージとか食べないのかしら。しかし昨日夕食をたっぷり頂いたたので朝食は軽い食事でOKでした。食堂では必ずコーヒーを一杯ずつキチンと作ってくれます。エスプレッソを一杯ずつ作る機械はどこにでもある感じです。朝食の他のオカズを準備するよりも「コーヒー」を美味しく作ることが大切なことのようです。

朝食後にホテルの面している「キアイア通り」を散歩してみました。私達には全く関係ないのですが、この道はナポリでも指折りの高級なショップの並んだ通りです。プラーダとかアルマーニが並んでいます。この道を急ぎ足で通り過ぎる人達は概して素敵です。一方でナポリの観光地の路上では「プラーダ」「ヴィトン」等のマークの入った「偽」革鞄が平気で売られています。

「ナポリ歴史地区散策・ナポリドゥオーモ・司教座美術館」
今日のナポリ散策のポイントは「ナポリ歴史地区」です。「ナポリドゥオーモ」を出発点としてナポリ歴史地区の教会・人形屋街等を見学しようという計画です。ナポリ歴史地区は「DECUMEN」というローマ時代に作られた東西を結ぶ3本の道路を基本にして出来ています。トリブナリ通りは南北に3本並ぶ「DECUMEN」の二番目(中央)にあたり、ナポリドゥオーモの直ぐ南側を通っています。この3本の歴史ある道路は道幅が狭く、5階程度の中層の建物が道路の左右に聳えていて、洗濯物が様々乾してあって「ナポリ独特の風景」となっています。

「ウンベルトバス停」でバスを降りてドゥオーモまで歩くことにしましたが、この南北に走るドゥオーモ沿いにも幾つかの面白いポイントがあります。丁度朝の礼拝で開いていた「S.GIORDIO MAGGIORE教会」に寄って今回の旅の無事を祈りました。またその少し北の「CARMINELLO AI MARRESI」では1世紀から4世紀のミトラ教教会遺跡が柵で囲まれています。ナポリ歴史地区には古代ローマから中世バロックまで数世代にわたる遺跡が層状に埋まっているので地下鉄工事は大変です。路線拡張工事が続くナポリの地下鉄路線は前回訪問時から全く進んでいませんでした。

ナポリドゥオーモはナポリ教区の「司教(ビショップ)座」を擁する教会です。ナポリはローマに近くかつ強大なナポリ王国首都であったのでナポリ司教は非常に権威があったことが想像されます。壮大で厳かなナポリ・ドゥオーモを拝観した後に、ドゥオーモの北側にある「SANTA・MARIA・DONNAREGINA教会」とそこに併設されている「司教座美術館」を見学しました。

これまでナポリを訪れる観光客にとって美術品を鑑賞する目玉は、市内の「ナポリ国立考古学博物館」と「カポディモンテ国立美術館」でした。どちらもナポリ王国を治めたブルボン家(アンジュー家)の収集したコレクションを展示しています。これらはファルネーゼコレクションとして世界的に有名です。

これに対して「ナポリ司教コレクション」はこれまで系統立て展示されることはありませんでした。バチカン博物館はローマ教皇のコレクションですが、有力なナポリ司教コレクションも十分に凄いのだろうと思われます。最近になってその司教コレクションを整理し展示するためにこの「SANTA・MARIA・DONNAREGINA」教会が整備され次第に美術館として展示物を展示する活動が進んできたようです。

美術館でボランティアで説明しているという「Maria Villet」さんが私達と一緒に回って展示品等の説明をしてくれました。ナポリ教会の宗教画はルネッサンス後期からバロック(17世紀)に属するナポリ絵画派の画家達による作品が主要なものです。フィレンツェで始まりヴェニス・ローマに伝播していったルネサンス芸術はナポリにも伝わり、ナポリの画家達はその影響を受けました。元々教会の数が多く需要があったので「ナポリ派」と呼ばれる画家集団が形成され教会絵画を沢山描きました。


[5]続きを読む

09月10日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る