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Kenの日記
by Ken
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■中国との付き合い
中国の習主席が韓国を訪問しています。慰安婦の問題・・歴史問題・領土問題で日本に対して批難を繰り返す習主席と韓国の朴大統領ですが、日本の阿倍首相がここに来て更に集団的自衛権行使に突き進んでいるので、来年の中戦争終戦70周年に向けて日本批判を更に強まりそうです。

中国は1999年に香港(新界も含め)返還を実現して、イギリスと戦ったアヘン戦争後の南京条約以来の懸案であった領土問題を処理しました。その時の「一国二制度」実現に向けて香港市民が反発を強めていますが、イギリスとしては返還した後のことなので静観しています。

本来「香港島・九竜地区」はイギリスに割譲されたので中国への返還義務はなかったのですが、香港・九竜の後背地である新界(1999までイギリスが租借)なくては存続困難となっていたので、イギリスは最終的に中国に返還したのでした。もしサッチャー首相が「香港・九竜」返還を断っていたら今頃はどうなっていたでしょう。広州・シンセンの経済力は新界に及び香港・九竜の脅威となっていたでしょうし、新界からの水・食糧の供給も止められた香港は大打撃を受けていたかもしれません。

返還合意までのサッチャー首相と搶ャ平氏の間では非常に厳しい交渉があったようです。ただしイギリスにとっては中国に非常に大きな非人道的被害を与えたアヘン戦争勝利の戦利品として香港を胸を張って「自分の領土」だと言い続けることは紳士の国として「如何なものか」という気持ちがあったのも事実だと思います。この6月中旬に中国の李克強首相と大規模な経済界リーダがイギリスを訪問し、中国からの多額の投資案件を取り決めましたが、香港返還から15年で中国の立場は益々強化されエリザベス女王と李首相の面会も当然のごとく実現しました。

香港のような象徴的な「戦利品」は無くとも、日中戦争の後始末が燻っている日中関係を抱える日本も何とかして鮮度処理を終わりたいところです。イギリスが過去の決め事に拘らずに「香港を手放す」決断をして中国との関係を修復したしたことと対比すると、阿倍首相が靖国問題、慰安婦問題で面子に拘っていて頑な態度を崩さなければ日中関係打開は難しいと思われます。

日中戦争は日本が一方的に中国に踏み込んで中国国土を踏み荒らす一方で、日本軍はアメリカとの戦争に敗れアメリカによって制圧されたのでした。連合軍との終戦時には蒋介石政権が中国を代表しましたが、その5年後には現在の中華人民共和国が蒋介石を台湾に追い出してしまいました。日本が謝った蒋介石を中国本土から追い出した中国人民共和国はしばらくアメリカとの没交渉だったのですから日本としても困りました。そしてニクソン訪中に引き続き「田中首相」が中国を訪問して日中関係を打開したのでした。中国の「周恩来首相」は「大同小異」で日本との関係を修復したのでした。安倍首相にしてみれば「日本は十分謝っている」ということなのでしょうが、被害者と加害者の意識は大分違うものだと思います。イギリスが「香港返還」したような解決方法を見つけ出す必要があると思います。
07月03日(木)
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