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Kenの日記
by Ken
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■安倍首相の困った「発言」
5月30日にシンガポールのシャングリアホテルで「アジア安全保障会議」が開催され、阿倍首相が基調演説を行いました。日本国内では演説の内容を詳しく報道されませんでしたが中国は猛反発です。ベトナム・フィリピンは中国との対立の関係から好意的に受け止めているのかもしれませんが、他のアジアの国々を本当にそうなのかどうか心配です。安倍首相としては言いたいことを強く言い放ち満足してG7サミットに出かけたことと思います。

5日の「サウスチャイナモーニングニュース(SCMN)」にはこの演説に対する批判が掲載されました。官邸ホームページに掲載されている阿倍首相演説をみると、本当にこんなことを発言してしまったのかと呆れました。これには中国だけでなく他のアジア諸国も反発必須です。こんな発言をする首相をリーダとする日本国民は非常に恥ずかしいと思いました。マスコミで取り上げられないのでここで批判しておきます。

演説の最初で安倍首相は「中国」を名指しにはしないものの「中国の力による現状変更」を強く非難しました。これは既に言い古されてきた繰り返しです。この部分でも平和的な紛争解決を訴えながら、尖閣問題では「問題そのものが存在しない」という従来の立場を繰り返すばかりで、「平和的解決」ではなく「喧嘩を売るような」姿勢に変わりはありませんでした。

この演説に特に注意すべきは最後の方の「New Japanese」という表現を使って安倍首相が提唱する「積極的平和主義」の思想を華々しく打ち出した場面です。しかしその中には常識ある日本人なら誰もが首を傾げざるを得ないような表現が含まれています。今後大きな議論を呼びそうです。

安倍首相は「積極的平和主義を過去から現在・将来に向けての一貫した日本人の歩みだ」と以下のように説明しました。

●●●●●安倍首相発言(内閣府のホームページから抜粋)●●●●●
「国際社会の平和、安定に、多くを負う国ならばこそ、日本は、もっと積極的に世界の平和に力を尽くしたい、「積極的平和主義」のバナーを掲げたいと、そう思うからです。自由と人権を愛し、法と秩序を重んじて、戦争を憎み、ひたぶるに、ただひたぶるに平和を追求する一本の道を、日本は一度としてぶれることなく、何世代にもわたって歩んできました。これからの、幾世代、変わらず歩んでいきます。」


SCMNの投稿意見は「第二次世界大戦でアジアに侵略したのは現在の日本人の二世代・三世代前というつい最近のことではないのか」と指摘します。秀吉の朝鮮出兵まで遡るまでもなく日本人の祖先が「道」を誤ったことは何度かあったのは明らかな事実です。それを「一度としてぶれることなく平和を追求する道を歩いてきた」と表現するとは何と言うことか。「NewJapanese」は、先の敗戦を契機として反省し平和憲法を採用した方向を大きく変更して、「嘗ての道を再び歩み始める」と思われてしまいます。●●●●●●●●●●

更に阿倍首相は「日本人とアジアとの関係」を以下のように表現しました。
●●●●●●●●●●
「アベノミクスと、ひとはこれを呼び、経済政策として分類します。私にとってそれは、経済政策をはるかに超えたミッションです。未来を担う、新しい日本人を育てる事業にほかなりません。新しい日本人はどんな日本人か。昔ながらの良さを、ひとつとして失わない日本人です。貧困を憎み、勤労の喜びに普遍的価値があると信じる日本人は、アジアがまだ貧しさの代名詞であるかに言われていたころから、自分たちにできたことが、アジアの、ほかの国々で、同じようにできないはずはないと信じ、経済の建設に、孜々として協力を続けました。新しい日本人は、こうした、無私・無欲の貢献を、おのがじし、喜びとする点で、父、祖父たちと、なんら変わるところはないでしょう。」●●●●●●●●●●


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06月05日(木)
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