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Kenの日記
by Ken
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■お得なワイン「Prince De Bao]

スペインヴァレンシア地方の「ケルビーノ・ヴァルサンジャコモ社(Cherubino Valsangiacomo)」社の「BASIC WINE」に区分される「Prince De Bao」というワインです。「赤と白」があり値段は両方とも税込み409円でした。最近出回っている低価格発泡酒並の安さです。そしてこの低価格でもワインの味はとてもしっかりしています。
葡萄(瓶の表示では)は赤は「スペインの土着品種ボバル(Bobal)、カベルネソーヴィニオン、テンプラニーニョ」、白は「メルセゲラ種(Mersegera)、アイレン」です。ケルビーノ社のホームページでは赤はボバル、白はメルセゲラと記載されています。多分赤・白ともこのスペインバレンシアの土着の葡萄を主に使っているのだと思います。従って現地の一般家庭で一般的に飲まれている「デイリーワイン」をそのまま輸出に回したようなワインだと思います。価格の安さも頷けます。
少し前までは日本で手に入る「低価格ワイン」は新大陸(アメリカ・オーストラリア・南米・南アフリカ等)の新興ワイナリーのものが殆どでした。そうしたワイン生産地ではヨーロッパから名の知れた「葡萄」を持ち込んで苦労して育て、ワイン醸造も徐々に上達していくのですが、その初期段階で品質が安定しないようなワインが日本に入ってきていたのだと思います。葡萄種こそ「カベルネ、シラー・メルロー・シャルドネ等」の有名なフランス葡萄を使っていますが、その味わいは「粗くて安定しない」ものだったと思います。
その後そうした新興ワイン生産地のワインも品質が安定して、ヨーロッパの高級ワインに匹敵するような高品質なワインを生産するようになり、世界のワイン市場の拡大もあって新興ワイナリーが成長する一方で、新規参入ワイナリーが低価格ワインを提供するという仕組みができていたのだと思います。中には失敗するワイナリーもあったのだと思われます。
そうした新興地域のワインと並行して、少し以前から入り始めたのが「ヨーロッパワイン生産国で作られるデイリーワイン」です。日本のワイン愛好家の裾野が拡大し、ブランド・価格に拘らずに美味しいワインを沢山消費するようになったのだ思います。世界のワインの生産量は「イタリア・フランス・スペイン」の3国が断トツなのですが、そうした国では多くの地方ではその土地に相性の良い葡萄を大量に植えつけ、安くておいしいワインが大量に作られてきました。こうしたワインは熟成され複雑味を増すようなワインではありませんが、口当たりが良く、現地の食生活に合致した食事を楽しくしてくれるワインなのだと思います。ヨーロッパのワイン生産地はオリーブ生産地とダブるのですが、日本でも健康志向でオリーブオイル使用量が増し、そうしたオリーブオイル料理の増加がデイリーワインの需要を拡大している理由のひとつだと思います。
「Prince De Bao(プリンスデバオ)」のボバル種の「赤」とメルセゲラの「白」はまさしく昔からスペインバレンシア地方で飲まれてきたワインのようなので、多くの一般家庭の食卓で愛好されてきたワインですから美味しいに決まっています。今日は「鰯・海老のアヒージョ」で「赤」を飲みましたが、そうした庶民的な料理とぴったりのワインです。
06月03日(火)
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