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Kenの日記
by Ken
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■拉致問題進展?
スウェーデンで行われていた日本と北朝鮮との外務省局長級協議が28日終了し、外務省の伊原アジア大洋州局長が29日午前に帰国しました。29日の外務省の報道は、今回の3日間の交渉は3月末の前回協議とは「比較にならない」ほど激しい議論が繰り広げられたが、北朝鮮が「拉致問題を拒否する姿勢ではなく決裂を回避できた」ことは事実上の“成果”であるとしています。比較的納得いくコメントだと思いました。(サンケイ新聞WEBで)

今回の交渉においては「総連中央本部の売却問題が交渉の焦点として浮上した」そうです。表向きの日本政府の発表は「日本の司法判断に関して行政はタッチできない」との立場だとのことですが、総連系の新聞は「双方が懸案を真摯に議論し、近視眼的なアプローチを排して大局的な見地から議論を深めている。具体的な成果を出すまで、交渉経緯を公開しないという合意が成立している。」と報道しました。

そして29日夜になると、一転して安倍晋三首相が記者会見して「北朝鮮が拉致被害者調査を約束し全面解決に向けた前向きな姿勢を見せた。日本政府の北朝鮮に対する独自制裁の解除を検討することとし、日朝双方が大きく歩み寄ることとなった」と交渉の成果を旨を華々しく公表したのでした。28日の交渉を終えて帰国した外務省担当局長が政府首領と相談してから何があったのか。どんな条件を持ち帰っていたのか交渉の裏側はまだ闇の中です。朝鮮総連系のメディアが「大局的な見地から交渉を進めている」とするコメントは「朝鮮総連中央本部問題」が取引条件であったことは明らかです。

「3本の矢施策、集団的自衛権問題、従軍慰安婦問題」等阿倍首相の施策表明については、民主党・自民党の従来の首相の枠を超えた、かなり「アグレッシブ」なものとなっています。こうした難しい問題に積極的に取り組みことは評価できますが、残念ながら局所的で「大きな方向性」が見えないのも事実です。拉致被害者問題に関してはスウェーデンという第3国を選んで慎重に進めてきた結果なのでしょうが、その手法は「河野談話検証」「集団的自衛権に関する私的諮問会議設置」などと同じで「本質的な哲学不在」の印象が強く残ります。小泉さんのように自分で乗り込んで回答を引き出すなら分かりますが、「朝鮮総連本部問題」を取引材料にするのであれば国民の信頼を裏切ることになるでしょう。
05月30日(金)
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