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Kenの日記
by Ken
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■2014年のインド総選挙
2014年はインド総選挙の年に当たります。インドでは5年おきに総選挙が行われます。2004年総選挙でソニア・ガンジー率いるインド国民会議党が勝利して、与党「BJP」を破って政権に復帰しました。その後の2009年の選挙でもマンモハン・シンを首相候補に抱く国民会議党が勝利しました。そして国民会議派政権への批判(政治腐敗への批判が激しいようです)が増大する中で2014年に総選挙を迎えます。私がインドに滞在していたときに政権交代が行なわれたので、それから10年が経過したことになります。
そして今や「ネルー・ガンジー家」出身者をリーダを頂いて発展してきた国民会議党にとって、いよいよソニアの長男の「ラフール・ガンジー」をリーダとして選挙を戦う時代となったと一般的には認められていました。1970年生まれのラフールは今年44歳になります。しかし今日のインドのインターネットニュースによると昨日国民会議派の重要な会議が行われ、党首の「ソニア・ガンジー」はマンモハン・シンを党首に頂いて選挙をすることを発表しました。つまり長男「ラフール」の党首就任は「お預け」となった形です。
ソニアとラフールの発言を見るいると、どこかにネルー・ガンジー家からの指導者輩出を終わらせようと考えている節があるように感じます。元々政治活動に巻き込まれることに抵抗があったソニアです。そして政治によって肉親を亡くしています。「長男ラフール」は不本意にも政治活動に巻き込まれた夫の「ラジヴ・ガンジー」に似て、どこか線の細さを感じざるを得ません。「ラフール」はまだ独身を保っていますが、実はこのまま独身を通してネルー・ガンジー家の直系は消し去るつもりではないでしょうか。
ソニアは演説の中では「腐敗撲滅」「貧富の差の解消」「経済発展」「政教分離主義」を訴えましたが。これらはインドの抱える永遠の問題といっても良いでしょう。貧富の差は宗教上の身分制度(カースト)に負うところ大きく、その結果として貧しい人々の教育水準は上がらず、政治は一部のリーダ(上級カースト)の人の手に握られてしまいます。
インド国民から愛され尊敬される国民会議派ですが、伝統的に指導者を輩出してきた「ネルー・ガンジー家の血筋」を尊重することは古い身分制体質を温存することに近似しているのです。賢い「ソニア」はリーダとして国民会議党を巧みに率いながら、人気投票とならないような民主的なリーダ選出の方法を探っているのだと思います。
01月17日(金)
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