ID:85567
Kenの日記
by Ken
[99186hit]
■従軍慰安婦問題(BSフジプライムニュース)
BSフジのプライムニュースで専門家をゲストに迎えての議論を放送しました。迎えるゲストによって「議論の盛り上がり」が違うし、生放送なので時には非常に重要なメッセージが発せられたりするので非常に気に入っている番組です。6月5日には以下のゲストを迎えて「従軍慰安婦問題」が議論されました。議論が少し噛み合わない部分もありましたが面白い内容でした。
ゲスト
秦郁彦:現代史家、橋下大阪市長の慰安婦問題認識の情報源となっていると思われる「慰安婦と戦場の性」の著者。
藍谷邦雄:弁護士(日本弁護士連合会日韓戦後処理問題共同行動特別部会長)意見を聞く限り、「従軍慰安婦問題に関しては明らかに政府に責任があり、日本は従軍慰安婦に国として賠償すべき」という論を展開している。
萱野稔人:津田塾大学国際関係学科准教授
議論が噛みあわない部分が大分ありましたが、「慰安婦の募集にあたり強制性はあったのか。またそれに国・軍が関与していたのか」という橋下市長が問題にしている部分については、結局曖昧なままで所謂「河野談話」をどう評価するのかという問題について最期まではっきりさせない議論となりました。
これは今の政府のスタンスと同じもので、米国を含む国際世論がこれだけアゲンストな状況下において、真実を訴えても理解を得ることは難しく、すでに確立された「河野談話」以上でもなく以下でもないという立場を採って暴風雨が収まるまで待つというものです。政府の対応方針も基本的にはこのようなスタンスに転向したみたいです。
問題は韓国がこの安倍首相(政府)のスタンスで矛を収めるのか、それとも更に輪を掛けて無理な要求をしてくるのではないかという懸念です。番組でもこの懸念は司会の反町さんから指摘されました。慰安婦問題における国の責任を明確に認めてしまえば次は賠償の問題が待っているでしょうし、従軍慰安婦問題に加えて他の戦争中の日本(軍)の行為を糾弾する動きを加速させるかもしれません。ここは政府がどのように韓国政府と折り合うのかがポイントとなります。
萱野さんが「スピード違反で捕まった日本が、他の国だって違反を侵していたのになぜ日本だけ責められるのかと世間に訴えても、世間は主張に耳を貸してくれない。」と発言したがそれはその通りだと思います。ただし他国が「自分もスピード違反をやっていたので、日本だけが責められるのもどうかと思う」と応援してくれるとすれば話は違います。
今日6月6日は「D−DAY」として連合軍がフランスのノルマンディーに上陸した記念日ですが、ちょうどその時期に合わせたようにアメリカで注目すべき本が出版されようとしています。それはアメリカの研究者の著作で「What Soldiers Do: Sex and the American GI in World War II France」という本です。これはフランス解放というヒーロー話の裏でアメリカ軍兵士はフランスで如何に酷いことをしたのかを抉り出した本なのだそうです。アメリカはこの本の出版を契機にしてもう少し現実の状況に直視した発言をして欲しいと思います。
06月06日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る