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Kenの日記
by Ken
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■ベッリーニ作曲「ノルマ」
文京区の区民参加オペラのCITTADINO歌劇団第9回公演の「ベッリーニ作曲「ノルマ」を聴いてきました。会場は文京シビックホール。地下鉄後楽園駅直ぐで私の会社オフィスの直ぐそばです。これまで文京シビックホールでの演奏会の日は「天気が悪い日」ばかりでしたが、今日は北風が強いものの陽が出ていたので気持ちが良かったです。服が濡れてしまったり、濡れた傘を足元に置いての演奏会はあまり気持ちの良いものではありません。

「ノルマ」はそのタイトルロールであるガリヤ地方の「ドルイド教徒」の巫女「ノルマ」の話です。敵対していたのローマ人地方総督の「ポリオーネ」の子供を二人もうけてしまったノルマ。しかしポリオーネが若い巫女の「アダルジーザ」の方にに気を移してしまったので話がややこしくなります。ノルマとアダルジーザの友情とか、ノルマ・ポリオーネ・アダルジーザの三角関係とか、ノルマと父親、ノルマと二人の子供の関係とか色々な心理描写が唱で歌われます。最終的にはノルマが自分を犠牲にしてポリオーネと一緒に死ぬという可哀想な話です。

「ノルマ」はソプラノの山畑晴子さん。一幕の「清らかな女神」は無難に乗り切りました。最初から最後まで終始色々な技巧を要求される役を歌い終える事ができたのですから拍手でしょう。でも高音域では音程がはっきりしない響きのために聞き辛い部分がありました。アダルジーザとの二重唱も今一歩。感情を込め過ぎたのかしらとも思いました。兎に角、母として娘として、恋人として色々な感情表現を要求される難しい役ですから。

「ドルイド教」とは自然崇拝で特に「オークの木」を信仰の対象としていた古代ケルトの宗教だそうです。森の木の中でも大きな太い幹の木は神秘的で古代の人々は強い興味を持ったのでしょう。今日のノルマのステージ上の祭壇として大きな木の幹がセットされていました。会場での日本語訳からは時代背景だとか、場面の場所の情報が少なくて詳しい情報は得られませんでした。本当はローマ帝国との関係だとか、裏切った場合の刑の重さだとか色々あるのだろうと思います。そういうものを知る楽しみも今後残っていますし、配役が少ない上にソプラノが大活躍するオペラですので、ソプラノ狙いで聴くには手頃なオペラだと思いました。
02月08日(日)
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